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絶海の孤島・青ヶ島在住の40歳女性が語る、“日本一人口が少ない村”の男女の出会い事情「家族のように育っているから…」

絶海の孤島・青ヶ島在住の40歳女性が語る、“日本一人口が少ない村”の男女の出会い事情「家族のように育っているから…」

「青ヶ島ちゃんねる」佐々木加絵さんインタビュー

2024/04/20
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青ヶ島の人たちが休日に畑で働くワケ

――休日は何をして過ごしているのでしょうか。

加絵 そもそも、島には自営業の人が多いので「休日」という考え方があまりないんですけど……あえて言えば、畑をやっている人は多いかな。

――仕事が休みなのに、畑で働くんですか?

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加絵 働くというよりも、癒やしの時間なんです。都会の人たちがベランダで家庭菜園やガーデニングを楽しむのと近いかもしれません。あとは、サウナに行ったり、宅飲みしたり、ゲームをしたり、NetflixやHuluでドラマや映画を観たりしています。

――都会での遊びとそこまで変わらないのですね。では、島の子どもたちはどんな遊びをしているのでしょう。

加絵 子どもたちも変わらないと思いますよ。最近話した子は、YouTubeの実況動画を参考にしながら、Switchでポケモンやマイクラをしていると言っていました。

青ヶ島の海

部活と習い事を掛け持ちする島の子どもたち

――青ヶ島には現在、小学生が6人、中学生が2人いると聞いています。「部活」や「習い事」はあるのでしょうか?

加絵 今は、サッカーや柔道、太鼓、バンド、ピアノを習っている子がいると聞いています。

――「今は」というのはどういう意味でしょう?

加絵 学校に固定の部活や習い事があるわけじゃなくて、その時々で子どもたちが「やりたい」と言ったものを先生も含めた島の大人たちが教えているんですよ。子どもたちだけで人数が足りないときは、大人が交ざることもあります。私が子どもの頃は、剣道とピアノと太鼓を習っていました。

――想像以上に、島では子どもの頃からいろんな経験ができるのですね。

加絵 島は、都会と違って物やサービスが豊富ではないので、何でも自分たちでやらなければいけません。その影響もあってか、子どもたちの「やりたい」に応えられる器用で多才な人が多いんですよ。そんな大人を見て好奇心を掻き立てられるのか、子どもたちも2、3個部活と習い事を掛け持ちしている子が多いんです。

連絡船で物が運ばれてくる

青ヶ島で暮らすために必要な生活費は?

――青ヶ島では毎年、1年間島外の中学生を受け入れる「島留学」も行ってますよね。移住に興味のある子育て世代も増えてきていると思いますが、島ではどのくらいの生活費が必要なのでしょうか?

加絵 島には飲食店や映画館、クラブといったお金を遣って遊ぶ場所がほぼありません。もちろん人にもよりますが、ひと月10万円もあれば充分な暮らしができると思います。実際に村役場で働いている友人は、「給与は手取り20万円ほどだけれど、毎月10万円以上は貯金できている」と言っていました。

 環境面でもお金の面でも、子育て世代はもちろん、パソコン1つでどこででも仕事ができるリモートワーカーにもおすすめの場所です。ただ、移住希望者が住める家がない、というのが問題になっていまして。