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「僕たちはふたり一緒に生きていて、幸せだった」“節約の鬼”だったサニージャーニーこうへいが妻の誕生日に送った「最高のプレゼント」の正体

「僕たちはふたり一緒に生きていて、幸せだった」“節約の鬼”だったサニージャーニーこうへいが妻の誕生日に送った「最高のプレゼント」の正体

『日本一周中に彼女が余命宣告されました。』より #2

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 みずきは道の駅が大好きだ。地域のお土産や特産品を見るのが本当に好きで、各地の特色が活かされている商品を見て、「これはおいしそう」「こんなのよく思いつくね」「これめっちゃかわいい」などひとつひとつ感想を言っては楽しそうにする。

 ただ、日本一周旅では節約が必須だ。特にこの頃、僕は節約の鬼になっていた。

 旅の目的のひとつ、ご当地飯にはもちろんお金を使う。動画のコンテンツにもなり得る観光アクティビティなども仕方ない。しかし「道の駅でお土産を買う」は節約のしどころだ。

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 そんな背景もあって、道の駅で好きなだけ買い物できるのはみずきにとっては夢の権利だ。

「僕たちはふたり一緒に生きていて、幸せだった」

 権利が行使されたのは大好きな南阿蘇の道の駅「あそ望の郷くぎの」でだった。

サニージャーニーのこうへいさん(写真左)とみずきさん(写真:サニージャーニー公式ブログより)

 牛乳瓶に入った牛の形のクッキー、ハーブティー、チーズ、リンゴジャム、搾りたての牛乳、阿蘇名産のあか牛のハムなど、みずきはものすごく嬉しそうに道の駅の中を見て回った。

 その後ふたりでお祝いのランチを食べた。

 あか牛のステーキはとてもやわらかくておいしかった。申しわけなさそうにしつつも嬉しそうに微笑むみずきの顔を見て、僕の心は温かくなった。

 貧乏旅だったが、僕たちはふたり一緒に生きていて、幸せだった。

「僕たちはふたり一緒に生きていて、幸せだった」“節約の鬼”だったサニージャーニーこうへいが妻の誕生日に送った「最高のプレゼント」の正体

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