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「僕たちはふたり一緒に生きていて、幸せだった」“節約の鬼”だったサニージャーニーこうへいが妻の誕生日に送った「最高のプレゼント」の正体

「僕たちはふたり一緒に生きていて、幸せだった」“節約の鬼”だったサニージャーニーこうへいが妻の誕生日に送った「最高のプレゼント」の正体

『日本一周中に彼女が余命宣告されました。』より #2

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 妻・みずきさんの32回目となる誕生日に、こうへいさんが送った最高のプレゼントとは……? サニージャーニーによる初の著書『日本一周中に彼女が余命宣告されました。~すい臓がんステージ4 カップルYouTuber 愛の闘病記~』(双葉社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/前編を読む)

2人にとって印象深い「誕生日プレゼントの思い出」とは?(写真:サニージャーニーブログより)

◆◆◆

最初は「逆流性食道炎」だと思ったけど…

 それからひと月くらいが経ち、僕たちは熊本にいた。大分でもらった薬を飲み切ってしまったのと、まだ体調がスッキリしないので、再び受診することにした。

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 だが、前回「大きな病気の可能性はない」と言われ、検査も当時の状況で考えられるものはやり尽くしていたこともあり、「薬だけもらえれば大丈夫」というみずきの判断で、小さな個人医院で受診した。

 こちらの病院では、逆流性食道炎かもしれないとの話だった。

「車中泊のストレスや、姿勢が同じ状態でい続けることなどが原因で、逆流性食道炎になることは考えられる。よく歩くように意識してください」と言われた。

 ネットで調べてみると確かにみずきの症状に当てはまる。また、長引く病気でもあるようだ。

 いろいろ合点がいき、じゃあゆっくり治していくしかないねと妙に納得してしまった。

 このとき、病院で緑色のドロドロの液体の薬を処方される。胃の粘膜を保護するために食前に飲む薬だ。

 おいしくはなく、ねばねばした感触が喉に残るらしいのだが、みずきはそれを北海道弁で「ねっぱる薬」と表現して毎日飲んでいた。

 この薬を食前に飲むようになってからみずきの調子は良くなった。後にがんが発覚するまで、このねっぱる薬に頼り続けた。ご飯前には「今日ねっぱった?」と確認し合い、飲み忘れないようにするほど、ふたりともこの薬が効いていると信じきっていた。

 すい臓がんとわかってからは「この薬は全然意味ないよ」と言われるのだが……。

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