月刊「文藝春秋」5月号に掲載された「『私は学歴詐称工作に加担してしまった』小池百合子都知事元側近の爆弾告発」。この手記の中で学歴詐称工作に加担した一人と名指しされる現千代田区長の樋口高顕氏(41)が、月刊「文藝春秋」の発売日である4月10日から12日まで区役所に登庁せず、13日の公務をドタキャンするなど、行方不明となっていたことが「週刊文春」の取材で分かった。
当時、都知事2期目を目指していた小池百合子氏の「国立カイロ大学首席卒業」という経歴に疑惑が生じたのは2020年のこと。同年5月、ノンフィクション作家・石井妙子氏が上梓した「女帝 小池百合子」がベストセラーとなり、6月には都議会でも追及を受けた。
だが、6月9日に都議会自民党、共産党などから「小池都知事のカイロ大学卒業証書・卒業証明書の提出に関する決議案」が提出されると、同日、駐日エジプト大使館は、突如としてフェイスブック上にカイロ大学長名で〈コイケユリコ氏が、1976年10月にカイロ大学文学部社会学科を卒業したことを証明する〉との声明を発表したのだ。
駐日エジプト大使館の声明文案を依頼
この声明をめぐり、偽装工作を告発したのが、元「都民ファーストの会」事務総長の小島敏郎氏だ。
そして手記の中で偽装工作にかかわったとされたのが樋口千代田区長である。
〈大学ないし国からの、望ましい声明文面案、作っていただけないでしょうか。すいません 本人から声明文案、作っていただけないかと依頼ありました。かなりつかれてました〉
メールの送り主は樋口氏で、送信先は声明の原案を作ったとされる元ジャーナリストのA氏。文中の“本人”とは小池氏のことだ。カイロ大学の声明文がエジプト大使館のフェイスブックで発表される2日前、小池氏から命を受けた樋口氏がA氏に声明文案を依頼していたのだ。