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「アムウェイは“違法な企業”ではない」と言うけれど…ナゾの企業「アムウェイ」から逮捕者が出た理由とは?

『突撃!』より #5

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 世界一のマルチレベルマーケティング企業「アムウェイ」とはいったいどんな会社なのか…? 突撃系YouTuber・KENZO氏による初の著書『突撃!:新宿109 詐欺・悪徳マルチ撲滅活動日記』(彩図社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の1回目/後編を読む)

アムウェイとは、いったいどんな会社なのか? ©時事通信社

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世界一のMLM企業『アムウェイ』

「突撃」を軸に動画の投稿を続けていくなかで、大きな反響を得たのが、アムウェイへの突撃動画だった。

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 アムウェイは1959年にアメリカで創業された、日用品などを販売するMLM(マルチレベルマーケティング=連鎖販売取引)の会社だ。世界の100以上の国々に広がっており、ここ日本でも1970年代終わり頃からビジネスを展開している。

 この本を読んでいる方も「アムウェイ」という社名を一度は聞いたことがあるはずだ。

「知り合いが、アムウェイの会員だ」「入会しなかったが、勧誘を受けたことがある」

 そんな経験を持つ人もいるかもしれない。抜群の知名度を誇る『アムウェイ』だが、注意していただきたいのが、“違法な組織ではない”というところだ。

 いったいどういうことなのか。

 少しややこしい話になるが、お付き合いいただきたい。

 連鎖販売取引は、日本では「特定商取引に関する法律(特定商取引法)」で規定されていて、継ぎの4点を満たすものが連鎖販売取引、すなわちマルチ商法だとされている。

一、物品の販売(または役務の提供等)の事業であって
二、再販売、受託販売もしくは販売のあっせん(または役務の提供、もしくはそのあっせん)をする者を
三、特定利益(紹介料や販売マージン、ボーナス等)が得られると誘引し
四、特定負担(入会金、商品購入費、研修費等の名目で、何らかの金銭的な負担)を伴う取引(取引条件の変更を含む)をするもの

 簡単にいうと、ある商品の購入者が別の者に商品を売ったり、会員を勧誘することによって利益を得て、販売組織を拡大していく、というビジネスモデルだ。