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「バラエティの仕事がなければ、首を吊っていた」月に数十万の食費で生活困窮…遠野なぎこ(44)が経験した、摂食障害の苦しみ

遠野なぎこさんインタビュー #2

2024/05/05
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――ご自身が「摂食障害である」と認識したきっかけはなんでしたか。

遠野 とにかく食べられなくなって、15歳で病院に通い始めてからでしたね。でも保険が利かなかったから、病院代がすごく高くて、50分のカウンセリングで1万5000円とかするんですよ。それを自分でバイトしたりして稼ぐのが、結構きつかったです。当時、芸能界を休んでいた時期で、さらにうちの場合、親が出してくれるわけじゃないので。

 拒食期だったので先生から「チョコレートと栄養ドリンクだけでもいいから摂ってください」と言われていました。

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過食期には、食費に数十万円を費やしていたこともあるという(写真=本人提供)

「生活がすごく苦しかった」摂食障害発症後、困窮したワケ

――経済的に困った時期があったのですね。

遠野 すごく困った時期がありましたね。クレジットカードを止められたこともありました。ただ食べて吐くというだけの行為に、恐ろしい額がかかってますから。多分これまでかかったお金で、都内の一等地に家が建つと思います。

 私、多分バラエティ番組の仕事をしていなければ、もうとっくに首を吊っていたと思います。それくらい生活が苦しかった。

 そういう意味では、強運の持ち主だったんじゃないかな。別に出たくて出ようとしていたわけではなかったけど、たまたまが重なって、バラエティの仕事をさせていただくようになったので。そのおかげで今、生きているんだと思います。

パートナーには「超少食だから引かないでね」と…

――パートナーがいらっしゃるときは、お相手に摂食障害についてお話をされるのでしょうか。

遠野 もちろん、します。じゃないと変だもん、ちょっとしか食べられないから。かなり痩せてしまっていることもありますし、あとはあちらがネットで私の情報を調べることもありますね。この1年半くらいマッチングアプリで活動しているので(笑)。

 

 深い関係になる相手には「超少食だから引かないでね」と必ず言うようにしています。

――では、パートナーとお2人で生活される上ではとくに問題もなく?

遠野 一緒にご飯に行っても「私は食べたいものをちょっとだけつまむわね」と言って、焼き鳥1本をちびちび食べたりとか。それで何も言わないでいてくれると、楽ですね。「食べろよ」とか「太れよ」とか無理強いする人は無理だから、無関心でいてくれる人としかお付き合いしないです。