昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

時事芸人・プチ鹿島が考える“金正恩外交の完璧なフリとオチ”

アドリブ、自虐、持ちネタ……南北首脳会談を振り返る

2018/05/04

 南北首脳会談から1週間経ったが、私はまだぼんやりと考えている。

「独裁者のユーモア」についてだ。

 これがよくわからないのである。わからない、という意味は後述するとして、まずあの会談での金正恩氏の言動をおさらいする。

金正恩のハイレベルな「間」と「表情」

「冗談飛ばす正恩氏、名物の『平壌冷麺』持ち込む」(4月27日 読売オンライン)

《韓国側施設「平和の家」で首脳会談が始まると、正恩氏は北朝鮮名物「平壌冷麺」を夕食会のために持ち込んだことを紹介。平壌から板門店まで「遠かった」と言いかけ、「(南北が)遠いと言ってはいけないな」と冗談を飛ばした。》

会談はなごやかなムードが漂っていた ©getty

 金正恩氏は「近くて遠い国」という現状を逆手にとり「遠かった」と言いかけ、そのあと少しとぼけた様子で「遠いと言ってはいけないな」と自分に言い聞かせると笑いがおきた。プレスセンターで生中継を見ている韓国のマスコミ陣が大爆笑している様子もニュース番組で見た。

 私はこのシーンを何度も繰り返し見た。「間」といい「表情」といい完璧だったからだ。感心してしまった。

この記事の画像