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文春野球「コミッショナーだより」5月号

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/05/07
note

パ・リーグ「現役選手と新鋭コラムニストの戦い」

 続いてパ・リーグです。

1位 北海道日本ハム 7429HIT
2位 千葉ロッテ   5053HIT
3位 オリックス   3940HIT
4位 ソフトバンク  2859HIT
5位 東北楽天    2474HIT
6位 埼玉西武    2164HIT
(4月30日現在)

 幸先よく首位に立ったのは北海道日本ハムファイターズ。えのきど監督の4月4日『ボッコボコの日本ハム 僕は石川直也を絶対、見捨てない』同14日の『大暴れ、ファイターズ清水優心に本当に期待したいこと』など、期待の若手選手をやさしく、時に厳しく見守るえのきど節は今季も健在。さらに開幕戦『日ハム記事のスクラップがやめられなくて35年続ける女性の、新たな開幕!』で見せたような“レアハム”関係者の登場も今季は多くみられるかもしれません。そして、えのきどさんがパートナーに選んだのが地元北海道HBCラジオ「ファイターズDEナイト!!」の斉藤こずゑさん。先日行った新人王候補のアンケートではパ・リーグトップの得票数を得た期待のルーキーは、4月18日の初登板『日本ハム・鶴岡慎也に言いそびれていた「おかえりなさい」の言葉』で2000HIT越え。4月27日には代打近澤浩和さんが登場。『清宮幸太郎の「プロ1号、2号」 鎌ヶ谷のファンが騒がなかった理由』で、2位につけるロッテ蜂須賀大六さんとの代打対決に競り勝ちました。いきなり鈴木大地選手を代打に起用した千葉ロッテ、真中・伊藤智仁さんらが並ぶヤクルトに対し、「シーズン中に新しい書き手を発掘する」とチーム方針を示すえのきど監督。その発掘手腕にも注目です。

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 2位は昨年優勝の千葉ロッテ。梶原監督はチームメイトに謎の覆面マスクマン3人を率いて挑んだ今季、開幕早々にビッグサプライズを起こします。4月5日、最初にマスクを脱いだのは、なんとマリーンズの鈴木大地選手。『開幕3連戦を終えて ロッテ・鈴木大地の想い』と題したコラムで、世間をアッと言わせました。いや、オフシーズンや日本シリーズ終了後ならスポーツ新聞で読んだこともあるんですが、開幕3連戦後のコラムはおそらく史上初。24時間で2416HIT。さらに当日の試合では4安打と大爆発し、“打ちマクレ”とばかりに一日で2420HITを打ってしまった稀代の選手となりました。さらに現在に至っても3400HITを越えてまだまだ伸び続けているほどインパクトを残したこのコラム。「活躍してくれてよかった」と安堵する一方で、梶原監督はこの先どんな戦術を用意しているのか、戦慄せずにはいられません。しかしその一方で、大地ショックの反動か、梶原監督のコラムでは昨年よりもHIT数が伸び悩んでいます。5月に入り3位まで後退するも「今はこの位置でいいです。計算通り!」とほくそ笑む梶原監督。今後の動きに注目です。

 3位はオリックス。2年目となるMEGASTOPPERのDOMI監督の下、神戸大学教授の木村幹さん、元スタジアムアナウンサーの堀江良信さん、元BsGirlのRISAさんという個性豊かな面々が集い「絶対優勝」を掲げる今季。4月21日には大阪・長堀橋で決起集会イベントを行うなどチームワークは抜群です。DOMI監督の開幕戦コラム『あえて宣言しよう オリックスの戦力は“12球団トップ“である』でファンを煽れば、すかさず木村教授が『あえて言う、オリックスは先発投手の替え時を間違っていないか』で開幕から調子の上がらないバファローズの問題点を提起する。堀江さんは『君はオリックスの「スタメン発表映像」を見たか』でスタジアムの舞台裏を抉れば、RISAさんは『ダル、大谷に続くか……オリックス高卒2年目・山本由伸の飛躍』で初勝利を挙げ、勝利のダンス。5月に入り首位争いに顔を出してきたこのチーム。一体、なにをやってくるのか目が離せません。

 4位は福岡ソフトバンク。新監督に“歩く鷹の大百科”こと田尻耕太郎さんを迎えたことで、優勝以外は許されないと期待を背負う今季。そのメンバーも福岡ドームを知り尽くす“5番ゲートのアジテーター”RKBラジオのレポーターの加藤淳也さん、書いてしゃべって、その上投げられるタレントの上杉あずささん。そしてホームランだけを狙うためにDHとなった昨年担当の松中みなみさんという大砲を携え、ペナントに突入。開幕戦で田尻監督が『川﨑宗則は「引退」じゃない 「野球から距離を置く」の真意とは』でいきなり首位に立つも、その後はなかなかHIT数が伸びず苦戦を強いられています。しかし、4月25日ヤフオクドームでの始球式で100㌔を投げる為にトレーニングに明け暮れてきた上杉さんのノンフィクション挑戦記『ドジな私がヤフオクドームの始球式で100キロに挑戦したワケ』(4月29日)などは傑作でした。今月未登板だったDH松中さんの登板も含め、これからの巻き返しに期待します。

 5位には東北楽天。前評判の高かった昨年3位のかみじょう監督率いる文春野球のイーグルスは、同じく前評判の高かった今季のイーグルスと同じように開幕から調子が上がらず苦戦を強いられています。パートナーに選んだRakuten.FM TOHOKUの“おにぎりDJ”河内一朗さんは、4月19日の『岡島、銀次……楽天選手の震災への想い 「がんばろう東北シリーズ」の舞台裏』などテーマに連動した動画を駆使したコラムで勝負。“ほぼ中の人”である武器を活かせるのが強みです。かみじょう監督も『35歳でコーチに就任した楽天・塩川達也コーチの秘密』(4月13日)、『もし、伝説の阪急ブレーブス応援団長が楽天を応援したら』(4月28日)で見せる独特の視点と語り口は今年も健在。実際のイーグルスの調子が上がれば順位も自ずと上がってくるはずです。

 6位は埼玉西武。2年目の中川充四郎監督は、パートナーにライオンズ公式本などで執筆する上岡真里江さんを指名して挑みます。「代打は使わず、2人で交互に一年間コラムを地道に積み重ねていく」という方針の下、長年の蓄積と辻監督をはじめ多くの人脈を持つ充四郎監督と、今のライオンズを実直に伝える上岡さんが融合したスタイルで上位進出を狙います。その上岡さんは『開幕3連勝の西武 飛躍のキーマンはセットアッパー平井克典だ』(4月3日)『「真の西武の4番」へ 山川穂高は中村剛也を超えられるか』(同18日)で実力の片鱗を見せています。山賊打線を擁する実際のライオンズは開幕から絶好調であることも手伝って、HIT数も徐々に上昇。5月には4位まで上がってくるなど、まだまだ勝負はこれからです。

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