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連載この人のスケジュール表

なぜ人々はいまだ“ピラミッド”に魅了されてしまうのか

河江肖剰――この人のスケジュール表

2018/06/09
河江肖剰さん

 人気番組、TBS『世界ふしぎ発見!』やNHKスペシャルでおなじみ、エジプト学者の河江肖剰(ゆきのり)さんが、『ピラミッド 最新科学で古代遺跡の謎を解く』を刊行した(新潮文庫 680円+税)。

「ピラミッドについては、近年、ドローンを使った3D計測、宇宙線による透視調査など最新技術を用いた分析と、2013年に世界最古のパピルスが発見されましたが、建造当時、実際にピラミッドを見た人の証言といった人間に焦点を当てた研究の両面から、いままでにない新しい光が当てられています」

 永遠に解けない謎の建造物、ピラミッドは人々を魅了し続ける。日本人は世界でも有数の古代史好き、ピラミッド好きと思われるが、その理由を河江さんはこう語る。

「メソポタミア、インダスなど、古代文明は他にもありましたが、ピラミッドを始め、エジプトほどいまも物が残っている場所は他にない。紀元前3000年のエジプト王朝最初の支配者であるナルメル王や、紀元前後のクレオパトラの時代から、現在まで変わっていないのです。人間は時間を超えられないけれど、エジプトでは歴史をバーチャルで楽しめる。それが我々を惹き付けるのだと思います」

 河江さんの本で、しばし古代旅行を楽しんでみては?

エジプトの首都カイロから11キロ程南にあるアブシール遺跡。工学チームと共に、4400年前のピラミッドを踏査。 ©2017 Abusir 3D Survey
4500年前に建造された大ピラミッドの頂上部からの撮影。眼下にはギザのカフラー王のピラミッドが見えている。 Photo by Momen Badr
 
ギザのピラミッド群を造営した人々が生活した『ピラミッド・タウン』での発掘調査中。 Courtesy of Ancient Egypt Research Associates, Inc.
 
ギザの三大ピラミッドの3D計測調査。GNSS(全地球航法衛星システム)受信機を設置し、ピラミッドの精確な形状を測定する。 ©2017 Giza 3D Survey
 
『河江肖剰の最新ピラミッド入門』
河江さんとナショナルジオグラフィックの写真が豊富に使われたビジュアル重視の入門書(日経ナショナルジオグラフィック社・2016年12月刊行・税別1800円)。
『ピラミッド: 最新科学で古代遺跡の謎を解く』
2015年刊行された河江さんの『ピラミッド・タウンを発掘する』の文庫版。前著に近年、話題になったピラミッドの最新情報を加えた決定版(新潮文庫・2018年3月刊・税別630円)