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童話ではない! 現代版「かぼちゃの馬車」の落とし穴

家主が泣いた…… サブリースの恐怖とは

2018/06/25

「かぼちゃの馬車」といえば、童話「シンデレラ」を思い浮かべるだろう。だが、今世間を賑わせている「かぼちゃの馬車」は、童話ではない実話だ。しかも、物語同様ハッピーな未来に期待した人たちは、今「自己破産」が頭にちらつく悲惨な状況に追い込まれている。

 そんなとんでもない「かぼちゃの馬車」を作り出したのは、現在社会問題にまで発展している「スルガ銀行の不正融資による シェアハウス投資トラブル」。全国賃貸住宅新聞社が発行する「週刊 全国賃貸住宅新聞」では、このトラブルの取材に果敢に取り組んでいる。取材すると、「サラリーマンの将来不安」という世相を反映したトラブルであることがわかった。

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耳触りのよい言葉が並んだセミナー

「こんなはずじゃなかった」

 こううなだれるのは、都内に住む40代サラリーマン。2016年にスマートデイズが運営するシェアハウス「かぼちゃの馬車」を購入した。シェアハウスとは、風呂、トイレ、キッチンなどの水回りが共用の賃貸住宅のことだ。

 購入のきっかけはスルガ銀行の支店で開催したセミナーに参加したことだった。

「都内の新築不動産で利回り8%」「東京で働きたいという地方にいる女性を応援するシェアハウス」「賃料0円でも儲かる新不動産ビジネス」などという耳触りのいい言葉が並べられたスマートデイズ元社長の話に「これはいい」と共感し、購入を決意した。

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 確かに「これはいい」話だろう。

 都内に不動産を自宅以外に持てるステイタス感、銀行の預金金利や投資信託よりもはるかに高い利回り、新築というプレミア感、さらに賃貸経営で不安な空室による家賃収入の不安定さを払拭する家賃外収入を得るビジネスモデルと女性の社会進出を支援する貢献度の高いビジネス。

 これだけ聞けば、不動産のことなど何もわからない一般サラリーマンでも「うまくいく」と信じてしまうのも無理はない。

 セミナー参加後、購入を決意したオーナーは、半年後にはシェアハウスオーナーとして家賃収入を得ることになった。

 セミナーの説明通り、毎月定額の家賃は振り込まれた。当時はその振り込みが続くと思って疑うことはなかった。

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