巨人ファンといえばの糸井重里さんと、文春野球の巨人コラムでもおなじみのプロ野球死亡遊戯さん。巨人軍を見つめつづけるふたりが語る「巨人を観ること」と「巨人を書くこと」。文庫「プロ野球死亡遊戯」出版を記念してスペシャル対談をおとどけします。(全2回の1回目・後編に続く)

糸井重里さん ©文藝春秋

糸井 ウチ(ほぼ日)は野球観戦部があって情報交換をするのですが、死亡遊戯さんはいいよね、という声が複数回聞かれて、知らなかったけど見たら面白い。

中溝 まだプロのライターではなくて、一ブログとしてですよね。

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糸井 そう。でもプロってなんだろうと思わせるよね。アマチュアで、ネット上で飛んでくる矢を避けながら思い切ったことを言うのはテクニックがいる。その意味でものすごく感心していたんです。

「君はいったい何をしている人なの?」

中溝 2013年に大竹寛選手のFAがあって、一岡竜司選手の人的補償の記事を書いたときに、初めてツイッターで糸井さんのレスポンスがあったんですよ。それから記事を上げるとちょくちょく感想が来るようになり、やり取りが始まりました。そうこうするうちに「野球で遊ぼう。」というほぼ日の野球イベントがあって、そのパンフレットの原稿を書いてください、と。それこそ自分にとってのデビュー戦でした。

糸井 光栄です。

「プロ野球死亡遊戯」こと中溝康隆さん ©文藝春秋

中溝 最初にお会いしたときに「君はいったい何をしている人なの?」と訊かれ、「化粧品会社に勤めてます」と。当時はほぼ毎日、球場に行っていたので、6時になった瞬間にダッシュで会社を出てました。ブログのサービスでアクセス数ではぶっちぎりの1位を走り続けたけど、これだけ結果を残しても媒体はなんで声をかけてこないのだろうという時期だったので、拾ってもらったのはすごく嬉しかったですね。

糸井 良かったな〜。お父さん、涙が出て来たよ(笑)。