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2018年7月7日、新聞は「オウム真理教」をどう報じたか?

「生真面目さ」と「病理」と

2018/07/13
note

オウムの「生真面目さ」を突いた東京新聞

 日経新聞はズバリ、

「『オウム的なもの』今なお 排他的主張、社会の不満吸収」

 と書いた。

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《元代表らの死刑執行で平成の初期を揺るがした事件は区切りを迎えはした。しかし、排他的で独善的な主張を振りかざし、現状への不満を募らせる層を反社会的行為へといざなう事態が起きる恐れは消えていない。》

《信じられる確かなものを見いだすことが難しい社会において、排他的で独善的な主張は現状に満たされない人々を招き寄せ、誘い込む。時が流れ、社会のありようが変わっても、「オウム的なもの」への警戒を忘れてはならないだろう。》

地下鉄サリン事件直後 ©getty

 若者はなぜオウム真理教に魅かれたのか。東京新聞は「生真面目さ」をあげた。

《オウムに魅力を感じた若者たちが求めていたのは「生のむなしさ」への解答だ。教団が八〇年代後半のバブル経済真っ盛りに伸長したことは偶然ではない。》

《生真面目であるが故に社会のあり方に違和感を感じていた信者は、神秘体験や生のむなしさへの解答をインスタントに与えてくれる「師」を求めた。「共同幻想」が共振し教団は暴走した。》