昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

「応援大使」が生んだ、北海道の町とファイターズの選手との深い縁

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/08/22

 ふと、改めて思うのは北海道はやっぱり「デッカイドウ」なんだなということ。ファイターズの選手は12球団で一番の面積を背負っている。広いからこそ、なかなか会えないからこそ、一度出来たつながりはずっと大切にしたい。

 あの、私からわざわざご説明することもないのですが、北海道は広いんです。日本の面積のおよそ5分の1は北海道。私は札幌生まれで、進学も仕事も地元を選びました。職業柄、道内各地を巡っているほうだと思いますが、それでもまだ行ったことのない土地があるくらい北海道は広いのです。

 私が担当するHBCラジオ「ファイターズDEナイト!!」は、月曜~金曜の試合中継の前後にチームの情報をお届けする番組です。道内全域で(今はradikoで全国でも)ファイターズを応援する大勢の方が聴いてくださっています。そして、その聴いて下さっているリスナーさんの大部分は実は試合を生で観戦するのは難しくて……という方たち。そこにはほんとに人それぞれのいろいろな理由があります。

 例えば、仕事。北海道は酪農や農業に従事している方も多くいらっしゃるので、天候や生き物を相手にしているとそう簡単に職場を離れることは出来ません。作業しながら聴けるラジオでという方が多いんです。

 例えば、距離の問題。北海道にはドームのある札幌まで車で3時間、4時間……5時間以上かかる場所も多くあります。当然、気軽に「明日いく???」とはならないので、観戦は年に一度あるかないかの一大イベントとなります。今はそういった方々もファイターズへの気持ちを維持しやすくなりました。ラジオ、テレビ、新聞はもちろん、それ以外からもいつでも情報を得られる便利な時代です。そして、広い土地をカバーするためのファイターズならではの取り組みも大きいと私は思います。こんな時代だからこそ「FACE to FACE」がより大事なのです。

「応援大使」で町と選手に出来た縁

 2013年から始まった「応援大使」。北海道には179の市町村があります。ファイターズは毎年18の市町村に2名の応援大使を任命していて、年間を通じてその地域のPRを担当します。選ばれた市町村にはポスターやパネル、市町村独自で作るPR物も登場します。シーズンが終わると選手が直接その市町村を訪問し、トークショーなどで住民の方と交流をするのが恒例になっていて、その地域はもちろん近隣でもとても楽しみにオフを待っています。

 今年、小清水町では道の駅にこんな大きな応援大使が登場しました。壁一面に松本選手と新垣投手、道路の向こう側へ渡らないと全体写真を撮影できないくらいの迫力です。12月末までといまのところはなっていますが、ぜひこのまま残してほしいなと私は個人的に思っています。

小清水町の道の駅 ©斉藤こずゑ

 というのは、応援大使は2013年から10年がかりの計画なので当然、もう終えてしまった地域もあるんです。その地域ではまた新しく違う選手が応援大使になることはないので、そのままポスターやパネルをどこかに残しているところも多くあるんです。なので、北海道を移動するといろいろなところで選手に迎えられる楽しみがあります。

 この週末、私がイベントの仕事で行った美深町でも西川選手と懐かしのホフパワー選手が迎えてくれました。美深町は札幌から車で3時間ほどの道北の町です、人口は4600人ほど。2013年に作られたポスターとパネルは町の人気飲食店「おくむら」に大事に大事に飾られています。保管状況もばっちり、西川選手がオフに美深町を訪問した時の話も昨日のことのように町の方から詳しく教えてもらいました。「ほんと、かっこよかったよ、ほんと。ほんとにさ! 目の前で見なきゃわからないかっこよさなんだわ、あれは」、この感想は男性の口から(笑)。町と選手に出来た縁はファンの心の中でずっと続くのです。

美深町の居酒屋のポスター ©斉藤こずゑ