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特集集まれ「インターネット老人会」

1時間400円もかかっていたネット接続 最初は日本語サイトなんてなかった

アングラな無法地帯で身につけたリスク感覚

2018/08/15

 僕の自認としてはインターネットを使い始めたのが1994年というWWWブームから始めた人間なので、老人会というよりは「初老会」くらいですね。

雑誌に書かれたURLを打ち込んでアクセス

 僕がインターネットに繋いで最初に見に行ったサイトはアメリカのホワイトハウスと、イギリス・ケンブリッジ大学のコーヒーメーカーでした。「なんでそんなものを?」と言われても、当時はそれくらいしか見に行くものがなかったからです。検索エンジンもなかったので、インターネットの情報が載った雑誌に書かれたURLを直接打ち込んでアクセスするしかなかったのです。

 当時のインターネットは今から比べると圧倒的に何もなく、特に日本語で書かれたサイトはほとんどありませんでした。そこで、インターネットに接続し始めた日本のユーザーたちは、自分の知っている情報や好きなものなどをかき集めて自分の「ホームページ」を作り公開することで、自力で日本のネット環境を充実させていったのです。もちろん僕もHTMLを手打ちしてホームページを作っていました。自分の知っている情報を提供することは、当時のユーザーにとっては「当たり前」だったのです。

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新年にはインターネット全体が渋滞

 しかし、まだ当時のネットの接続料金は高く、僕の場合だと市内通話料金が3分10円。プロバイダ接続料金が3分10円。合わせて3分20円。なんと1時間で400円と高価なものでした。さらに通信の速度も遅く、海外の遠いサーバーからエロ画像を1枚落とそうとすると10分20分かかることはザラ。新年に世界中のみんながあけおめメールを送った結果、インターネット全体が渋滞し、2、3日重くなりっぱなしなんてこともありました。

 今でこそ、そんなことをしたら笑い話ですが、当時の僕は「メール到着の確認をするために、友達に電話をかける」をやったことがあります。そのくらいネットが高くて重くて信頼できないのは当たり前だったのです。