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連載池上彰「WEB 悪魔の辞典」

池上さんが考えた「なぜ、総裁選は見ていてワクワクしないのか」

そうさいせん【総裁選】――池上彰「WEB 悪魔の辞典」

2018/09/10

 池上彰さんの新連載「WEB 悪魔の辞典」では、政治や時事問題に関する用語を池上さん流の鋭い風刺を交えて解説します!

【総裁選・そうさいせん】

 国民は見ているしかない総理大臣選出選挙。

【池上さんの解説】

 自民党の総裁選挙が始まりました。総裁になれば総理大臣になれますから、事実上の総理大臣選出選挙です。でも、投票できるのは自民党所属の国会議員と自民党員と党友だけ。国民は見ているしかありません。まあ、自民党からすれば、「総理大臣を選ぶ選挙に参加したければ、自民党員になればいいんだよ」ということになるのでしょうが。

 それにしても、見ていてワクワク感がないのは、どうしてでしょうか。

安倍晋三氏 ©文藝春秋

 かつて1978年、福田赳夫首相に対して総裁選挙を戦った大平正芳の戦いでは、当初、圧勝と見られていた福田首相が、党員による予備選挙で敗北しました。私たちをあっと言わせる結果でした。現職の首相が党員投票で敗れたのですから。

 このとき福田首相は、「天の声にも変な声がたまにはある」という名言を残して首相の座を大平正芳に譲りました。

 その潔さは印象的でした。

 大平正芳が下馬評を覆して勝利した背景には、首相を辞任していた田中角栄が反・福田の立場から長年の盟友・大平正芳を支援したからでした。

 福田は潔く首相を辞任したかに見えたのですが、怨念は残ります。その後、大平降ろしに動いたのですから、政界の先は見えません。このときも国民は見ているしかなかったのですが、少なくともドキドキ・ワクワク感の溢れた見世物ではありました。

池上彰「WEB悪魔の辞典」のコーナーでは、池上さんの解説を聞いてみたい新用語を募集しています!

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