大きな台風でナシやリンゴなどの果物が落果してしまった農家や、養殖のお魚が網ごと流されて被害を受けた事業者が呆然としているニュースってあるじゃないですか。
天災で作物が駄目になってしまったのならばまだ諦めようがあるけれども、我が国の政治が駄目というか不始末で現場が苦労するという事例があって、愚痴のひとつも言いたいわけです。
政府はどんな無理筋な話を繰り返しているのか?
その直面している問題というのは、官邸の「知的財産戦略本部」、通称知財本部のだらしない議論で通信業界から出版業界まで騒然となっていることであります。すでに多くの報道があるので仔細はそちらに回しますが、簡単に言えばマンガの海賊版サイトが流行して多くの人がそちらで無料でマンガを見るようになってしまったため、マンガで食っている出版社が音を上げて、政府はこれらの海賊版サイトを観られなくするようにインターネットプロバイダや通信キャリアなどの通信会社で特定の通信ブロックせよ、って無理筋な話を繰り返していることにあります。
そりゃあ海賊版サイトは駄目ですよ。単純に犯罪ですし、そんなものを野放しにしていては駄目です。読者の皆さんもいくらタダだからって海賊版サイトで違法アップロードされたマンガとか動画とかを観てはいけません。俺とお前の約束だ。違法にマンガその他の権利物をアップロードされてしまった事業者は、なるだけきちんと状況を監視して、そういう違法なことをやっている連中を特定して訴追するというイタチごっこを丁寧にやらなければならないわけです。
中国共産党と同じことを日本でもやろうって話じゃないですか
しかしながら、それは単純に海賊版サイトを一個一個見つけて国内や海外で裁判を起こしたり逮捕したりして「このやろう」ってやらなければなりません。面倒くさいけど、それが法治国家、民主主義の大原則なのですよ。一般のインターネットの利用者が海賊版サイトを観に行く通信を遮断せよと国家が命令するのは、文字通り憲法で国民に保証された権利である「通信の秘密」に抵触するし、通信会社を縛る電気通信事業法4条1項の「通信の秘密」を侵害する行為で罰せられます。単に「おっ、このユーザーさん、海賊版サイト観に行ったやんけ。
もちろん、こんな検閲なんて民主主義の否定ですからね。
中国共産党と同じことを日本でもやろうって話じゃないですか。