一昨年、熱狂のCS初進出、昨年は3位からCSを勝ち抜いて日本シリーズへ、さぁ今年こそ優勝だ!と凄まじい意気込みで望んだ今シーズン。横浜DeNAベイスターズ、結果は4位でした。フワフワ・モヤモヤ・ドキドキ・ヤキモキ。色々な感情になりましたが、142試合目まで糸が切れず野球を楽しめたことに感謝しています。
今シーズンを振り返ってみようと思いパチパチとパソコンをいじっていたら、思わぬところから1枚の写真が出てきました。日付は2006年5月10日。後ろ姿は応援している12年前の僕。撮影したのは当時付き合っていた、今の奥さんです。
この写真をパッと見た瞬間、「空いているなぁ……」と思いました。12年前のハマスタ。今では考えられない空きっぷりです。
そういえば野球に興味がない奥さんをはじめてハマスタに連れて行った時、最初に言った感想は「ガラガラだね……」でした。「野球ってこんなに空いているの?」と驚く奧さんに、「これがいいのよ」と意味不明の強がりを見せたことを覚えています(多少の本音も入っていましたが)。
この日のスタメンは、
1(遊)石井琢
2(左)古木
3(中)金城
4(—)佐伯
5(三)村田
6(二)内川
7(右)吉村
8(捕)相川
9(投)高宮
この並びを見ているだけでこみ上げてくるものがあります。
なんとボリューミーで個性的な国産打線でしょう。みなさん最終的にはベイスターズから他のチームに移籍してしまいますが、きっとまた大集結する日が来ると信じています。
長い間、感情の渦巻きに巻かれながら写真とスタメンを交互に眺めていたら、だんだんと自分が2006年のハマスタに吸い込まれていくような気がしました。スーッと写真の中に入って、観戦中の僕の隣に今の僕が座るような感覚になったのです。
主役は石井琢朗だった
「熱心に応援してるね」
「うわ!びっくりした!まさか……俺?」
「そうだよ。2018年からやってきたよ」
「マジかよ!今いくつ?」
「40」
「えー!こっちはまだ28だぞ」
「2006年かー。懐かしいなぁこの空気。ピュアでのどかで不安定な感じがたまらない」
「なにブツブツ言ってるんだよ!これからいいところなんだよ!タクローがあと1本で2000本なんだから」
「なにっ!思い出した!あの日か!」
「もう今日はないと思ったけど、9回に追いつかれたからまた打席が回って来るかもしれないんだよ!もしかしたら今日2000本が見られるかもしれないぞ!」
「その日はねぇ……」
「ダメダメ、結果を言うな!」
僕は2006年の自分にいろいろ話しかけたくなりました。