2010年代から2020年代へ。安倍晋三政権の屋台骨が揺らぐことはなかった。加計・森友学園問題、「桜を見る会」問題が起こっても内閣支持率は極端に下がることはない。大臣の不祥事や失言が多く盤石とは言い難いが、安倍政権は何とか持ちこたえている。

 安倍総理を大好きなブレーン、安倍総理ととても近いメディア関係者や学者を見ると、意外なことがわかった。

 なぜか、千葉県立千葉高校出身者の神童たちが多い。

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安倍晋三首相 ©ロイター/AFLO

 小川榮太郎さん(文芸評論家)、長谷川幸洋さん(ジャーナリスト、元東京新聞論説副主幹)、すぎやまこういちさん(作曲家)、岩田明子さん(NHK解説委員)、奈良林直さん(東京工業大特任教授)である。

 まずは文芸評論家で日本平和学研究所理事長をつとめる小川榮太郎さん。1967年生まれで、大阪大文学部、埼玉大の大学院を経て現職。安倍総理とは電話で話し合える仲のようだ。2019年11月、安倍総理は「桜を見る会」問題で次年度の同会を中止すると発表した。その後、小川さんは安倍総理とやりとりしている。小川さんはこのときのホットラインを自身のツイッターでこう伝えた(11月14日)。

〈こんなにすぐに中止すれば、また「疑惑は深まった」とやられるんじゃありませんかと私が聞くと総理は大要次のように答えた。

「それはそうだけど、こんな状況では参加者が委縮してしまうから……。ブログから何から追跡されて嫌がらせされたりが続くわけだからさ」

「しかしそれでも判断が早すぎたのでは?」「予算執行の決断をしなければならないから今判断する必要がある」〉

小川榮太郎氏のツイッターより

小川榮太郎氏 ©文藝春秋

 小川さんといえば、「新潮45」2018年10月号でLGBT問題について次のような論を展開して、物議を醸したのは、まだ記憶に新しい

「満員電車に乗った時に女の匂いを嗅いだら手が自動的に動いてしまう、そういう痴漢症候群の男の困苦こそ極めて根深かろう。再犯を重ねるのはそれが制御不可能な脳由来の症状だという事を意味する。彼らの触る権利を社会は保障すべきでないのか。触られる女のショックを思えというか。それならLGBT様が論壇の大通りを歩いている風景は私には死ぬほどショックだ、精神的苦痛の巨額の賠償金を払ってから口を利いてくれと言っておく」

 この記事には、LGBTと痴漢を同列に語ったことに批判が集まった。なお、新潮社は、「新潮45」同号の特集記事について、「あまりに常識を逸脱した偏見と認識不足に満ちた表現が見受けられました」と告知したのち、同誌を休刊にした。