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ガラスに生命が与えられた
奥のスペースへ進むと、ガラスによる自由な造形が、そこかしこに配してある。世にはかくもさまざまなかたちがあり得るのだと感嘆する。ガラスがみずからなりたいかたちになったのだろうと思わせるような、これほど融通無碍な造形をいったいどう思いつき、具体物へと実現していくのか不思議に思う。三嶋に言わせれば「そのもの自身が生まれるように」、かたちを構想するのだとか。そのあとは心強い親方と職人とともに作業を進めれば、生命を宿しているとしか思えないガラスの作品が生じてくるのだ。
これらの創作を三嶋は「炎の果実」と呼んでいる。なんて的を射た、すてきな言葉だろうか。