文春オンライン

「もう昔の髪型には戻れないのか…」現役美容師と業界随一のAGA治療専門クリニックが語る「薄毛」への賢い対処法

note

「どうすれば薄毛を隠せるか…」「もう昔の髪型には戻れないのか…」薄毛の男性にとって「髪型」の悩みは切実だ。文春オンラインに髪型やヘアケアに関する記事を多数寄稿する美容師歴14年の操作イトウさんに、薄毛の方に適したヘアスタイルを聞くとともに、業界随一のAGA患者数を誇る銀座総合美容クリニック(銀クリ)に、薄毛の根本的な解決に必要なポイントを教えてもらった。

薄毛を隠すために細い毛を伸ばすのはNG

「あれ? なんだか前髪がスカスカしている…」「最近、頭頂部の地肌が見えているのでは?」そんなところから薄毛の悩みが始まることもある。

薄毛で自分が望むヘアスタイルが難しくなってきたとき、どうしたらよいのだろうか。操作イトウさんによれば、それを隠そうと陥りがちな二つの大きな落とし穴があるという。「一つは、少しでも毛量を多く見せようと、無闇に髪の毛を伸ばしてしまうことです。薄毛の方の毛髪はコシがない傾向にあります。そうした髪質で伸ばした髪の毛は細く弱々しいため、いうなれば“散らかった状態”になりやすいのです。この場合、薄毛がカッコ悪いのではなく、散らかった清潔感のない髪型がカッコ悪さにつながります」と操作イトウさんは指摘する。

二つ目の落とし穴が、真っ黒な髪。「欧米人に比べ、日本人の薄毛が目立つのは、髪の毛の色にもあります。黒髪と頭皮の“白”でコントラストが強くなり、薄毛が強調されるからです」(同前)

清潔感のある髪型がおすすめ

©操作イトウ
©操作イトウ

では、“薄毛でも素敵”な髪型にするには、どうしたら良いのだろうか。

まず操作イトウさんが挙げるのは、思い切った短髪だ。「おすすめは、耳上のサイドを短めに刈り上げて、頭皮が少し見えているスタイル。トップは立ち上がりやすい長さで、前髪はかき上げつつ、どちらかに軽く流して降ろすと、おでこを出しても自然に見えやすくなります。その際大切なのが、こまめにサロンに通うことでカットの頻度を増やし、乱れた毛をなくして清潔感を保つことです(上記イラスト参照)」

また、髪の毛の色が明るいほど薄毛が目立たなくなるので、もし職場が許すなら思い切って髪色を変えることも効果的だという。「こげ茶に見える程度の軽いカラーリングでも効果はあります」(同前) 

シーンに合わせたスタイリングやアレンジのコツは、担当美容師に相談してみるのが良いだろう。「テレビタレントさんや俳優さんの事例で見かけるのは、隠すように前髪を降ろすとスカスカに見えやすいところを、斜めに流すことでさりげなくカバーされている方です。おでこを出すことで、精悍なイメージも際立ちます」(同前)

前髪のスカスカをうまくカバーする髪型 ©操作イトウ
前髪のスカスカをうまくカバーする髪型 ©操作イトウ

「バーコードヘア」は一日にしてならず

そうはいっても、なかなか思い通りのスタイルにできないのが薄毛。薄毛ヘアの代名詞として挙げられる「バーコードヘア」も薄毛を語る上では避けて通れない。

多くの人が“違和感”を覚えるヘアスタイルにもかかわらず、一定数の人はこのスタイルを貫いているのはどうしてなのか。銀クリによると、その背景には「薄毛の進行パターン」と「薄毛を隠すスタイル」それぞれに共通する行動があるという。バーコードヘアは「薄毛を目立たなくしようとする長い闘い」の結果なのだ。

AGAとは主に成人男性に起こる進行性の薄毛や抜け毛のこと。男性ホルモンの働きが関与しており、思春期以降に生え際や頭頂部の髪の毛などが薄くなっていく。AGAの進行パターンは主に三つに分けられる。一つは、生え際のうち、額の両端が後退することで、アルファベットのM字のような形になる「M型」。二つ目が頭頂部のつむじまわりから薄毛がOの字に進行する「O型」。三つ目が、前頭部生え際から全体的に後ろに額が後退し、Uの字を逆さまにしたように見える「U型」だ。

脱毛の進行パターン一例
脱毛の進行パターン一例

銀クリの担当者は次のように語る。「薄毛に悩む方がまず考えるのは『残っている髪の毛で薄い部分を隠せないか』ということです。例えばM字の薄毛が気になってきた場合、まずは前髪をセンターに近い部分で分けてM字の左右の剃り込み部分を隠そうとします。それができなくなると、七三分けや八二分けにすることで、片方の薄毛部分だけでも長く伸ばした前髪で覆おうとします。その後さらにAGAが進行して額全体が薄くなってくると、残った側頭部の髪の毛を伸ばし、薄い部分全体を覆う、いわゆるバーコードヘアになるのです。あの髪型は薄毛の進行に対し、長さとスタイルでなるべく全体を隠そうとする過程でなり得るものなのです」

望むヘアスタイルを目指すなら早期のAGA治療を

「前述したように、清潔感のある短髪にしたり、髪の毛の色のトーンを上げたりといった工夫で、薄毛をある程度目立たないようにすることはできますが、美容師には薄くなってきた毛を生やすことはできません」と操作イトウさん。銀クリは「どのような髪型であれ、自分が望むヘアスタイルにしたいという希望があるなら、早めにAGA治療を受ける方がいいでしょう」と語る。

というのは、今やAGAは治せる病気だからだ。次第に自身の髪の毛が薄くなる中、ヘアスタイルで思い悩む人にとって、根本的な解決策はAGA治療になる。

実際のAGA治療は、主に薄毛の進行を抑える治療薬と発毛を促す治療薬の2つの役割の薬を用いて医師の診療をもとに進めていく。AGAの原因は髪の毛の成長を抑え寿命を短くする悪玉男性ホルモンなのだが、まず治療では薄毛の進行を抑える薬で悪玉男性ホルモンをブロックし髪の毛の生え変わりのサイクルを正常に近づける。そして、さらに発毛を促す薬で、髪の毛を作り出す毛母細胞を刺激し細胞分裂を活発にすることで髪を生やす。「治療ではその人に合った薬の投与量の調整と、カウンセリングによる的確な患者さんのニーズの把握やアドバイスが不可欠ですが、当院ではこれまで約185万人という多くの方への治療実績で培ったノウハウをもとに治療を行っています」と銀クリ。

こうしたAGAだが、治療を受ける上で注意しなければならないことがある。それは、AGAが進行する病気であるということだ。「発症から時間が経つほど薄毛の症状は進んでしまいます。AGAでは正常な状態と比較し5倍以上の速さで髪が生え変わってしまい、時間の経過とともにどんどん髪を作り出すチカラが弱くなってしまうからです。つまり最大限の治療効果を得たいなら、発症からなるべく早く治療を始めた方が良いということです」と銀クリ。

ヘアケア用品は数あれど、発毛効果があるのは医薬品だけ

AGAを早期発見するにはどうしたら良いのだろうか。

実は、AGAの症状が現れ始めたとしても自分ではそのことに気づかない期間がしばらくある。その後、毎日のスタイリングの時や枕元に落ちている抜け毛の量などが増えているのを見て、徐々に自分でも症状に気づき始めるものなのだという。つまり自分の“異変”にできるだけ早く気づくことが重要なのだ。

「生え際の薄毛は自分で鏡を見てわかりますが、頭頂部の薄毛については自分では分かりにくいもの。事前に美容師や理容師に、シャンプーの時の抜け毛が多すぎないか聞いたり、薄くなってきたら教えて欲しいと伝えておくとよいでしょう」(操作イトウさん)

©iStock.com
©iStock.com

一方、いわゆるヘアサロンのヘッドスパなどは、いくら気持ちよくても発毛効果は無いことを忘れてはならない。

「医学的に発毛効果が検証されているのは医薬品だけです。もちろん、シャンプーなどで頭皮の環境を整えるのは悪くありませんが、それに安心してAGA治療への一手が遅れないことが大切です」(銀クリ)

今は昔と違い、医療で薄毛を治療できる時代だ。髪型の工夫やスタイリングに限界を感じた時は、早めに適切な薬の処方や、十分なカウンセリングを受けられる医療機関に相談することが肝心だ。医療の力で、思い描くヘアスタイルを手に入れることもできるはずだ。

提供:銀座総合美容クリニック

INFORMATION

銀座総合美容クリニック
公式サイト:https://www.gincli.jp/
(東京院)東京都港区新橋1-9-5 KDX 新橋駅前ビル 4~5階
(大阪院)大阪市北区曽根崎新地1-4-20桜橋IMビル15階
※診療時間(完全予約制)
月・火・木・金・土 11:00~20:00
日・祝 11:00~19:00
休診日:水曜日
料金:初月1000円、2カ月目以降は、AGA治療内服薬2000円~1万9250円(※保険外の自由診療)
相談・予約は東京・大阪共通のフリーダイヤル(0120・972・335)か、公式サイトから