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「頭皮に詰まった脂が原因」「帽子を被り続けてるとハゲる」薄毛に関する民間療法・迷信…真偽をAGAの病院「銀クリ」に聞いてみた

2023/06/22
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はるか紀元前から男性諸氏を悩ませてきた、“薄毛”問題。それにようやく光明が見えてきたのはここ20年ほどのこと。ようやく医療機関でのAGA(男性型脱毛症)治療による薄毛改善が現実のものとなった。一方で、未だ根強く信じられているのが「ワカメを食べると…」「頭皮マッサージで…」といった薄毛ケア。こうした様々な“ナゾの薄毛対策”の真偽について、累計185万人の治療実績を誇る銀座総合美容クリニック(銀クリ)に検証してもらった。

古代エジプト時代から脈々と行われてきた薄毛ケア

 現代でも多くの男性が悩んでいる薄毛。実はその悩みの歴史は紀元前にまで遡る。紀元前1550年ごろのエジプト医学書には、当時行われていた薄毛ケアの方法について書かれていたのだ。それによれば、ライオンやカバ、メス猫などの動物の脂肪を育毛剤として利用していたというから驚きだ。時は進んで中世ヨーロッパ。貴族の間でファッションとして流行したカツラも、“若ハゲ”に悩んでいたフランス国王ルイ13世は薄毛隠しのために被っていたという。

 このように、古くから薄毛に対して涙ぐましい努力が積み重ねられてきたわけだが、それもそのはず、実は薄毛に悩む人の割合は今も昔も決して少なくないからだ。主に成人男性に起こる進行性の薄毛や抜け毛をAGAというが、現代日本人男性の約3割がこのAGAに悩むという(日本皮膚科学会の「男性型及び女性型脱毛症診療ガイドライン」)。若くして薄毛が気になる人のほとんどはAGAともいえる。

©iStock.com
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 薄毛のメカニズムがある程度解明された現代のAGA治療では、薄毛の進行を抑える作用のある治療薬と、発毛を促すための治療薬を使用する。進行を抑えるために使う薬は、髪にとっての悪玉男性ホルモンの作用を減らして生え変わりのサイクルを正常に近づける。また、発毛を促すための薬は、髪の毛を作る毛母細胞を刺激して細胞分裂を活発にする働きがある。このように、近年の科学技術、医学の進展に伴い、こうした薬が開発、認可されたことで、21世紀の現在、もはや薄毛は“治せる病気”になってきた。もはや、科学的根拠のないライオンやカバの脂を使う時代は終わったのである。

ワカメを食べるより、バランスのよい食生活を

 そんな現代においても、根強く語られるのが、自分で行うあれやこれやの薄毛対策。その最たるものだったのが「ワカメなどの海藻を食べると髪の毛がフサフサに」といったものだ。実際に効果はあるのだろうか…。これについて銀クリの担当者は「特定の食べ物を食べたからといって髪の毛が生えるというのはウソ。髪の毛だけでなく身体の健康は数ヶ月単位の食生活がベースになるものです。限られた食材のみをたくさん食べるのはナンセンスで、バランスの良い食事で、過不足のない栄養を摂取することこそが大切です。何ごとも、極端に走って良いことはありません」と解説する。

 同様に語られるのが「頭皮に脂が詰まって薄毛になる」というもの。それを理由に洗浄力の高いシャンプーを使ったり、サロンでのヘアエステなどを受けたりする人も少なくない。しかし、「もちろん過剰な皮脂はニオイなどの原因になったりしますが、AGAの進行には関係ありません。一方で、頭皮の脂質は皮膚を保護する役割も持っており、過剰に洗浄しすぎれば皮膚トラブルの元になります。頭皮に刺激を与えるためにブラシで激しく叩く人もいますが、これも頭皮にダメージを与えてしまうのでやめてください。何ごとも過ぎたるは及ばざるが如しです」(同前)。

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「白髪を見つけたら抜く」は厳禁

 巷では、紫外線の影響でハゲる、帽子で蒸れてハゲる、といったことも言われるが、薄毛対策ではどうするのが正解なのだろうか。それについては「紫外線は皮膚の老化につながるので、1日に何時間も毎日紫外線に当たるような極端な状況はやはり好ましくありません。通常の生活の中で紫外線に当たる程度では、それが薄毛につながることはありません。また、帽子を被れば確かに頭は蒸れ、皮膚に雑菌が繁殖しやすい状況にはなりますが、1日1回通常のシャンプーで清潔にしていれば薄毛や大きなトラブルにはならないでしょう」とのこと。

一方、「分け目をずっと同じ位置にするとハゲやすい」という言説は必ずしも嘘とは言えないようだ。「分け目を同じにするだけで薄毛になるかというとそうではありませんが、髪を強く縛るなどの物理的なダメージにより起こる薄毛はあります。それと同じ文脈であれば、同じ部位に負荷をかけることは避けるに越したことはありませんので、定期的に分け目を変えるのも好ましいですし、強く引っ張られるような髪型は避けた方が良いでしょう。」(同前)。

また、白髪対策として「見つけたら抜く」人がいるが、それは厳禁。白髪を抜くと、髪の毛を作り出している毛包まで一緒に取ってしまうことに。それを繰り返すと、そこからは髪の毛が生えてこなくなってしまう。ヘアカラーについては「頭皮にダメージを与えてしまうような染め方だと、薄毛に影響する可能性はあります。ですが、髪の毛を染めた方が気分が上がるのであれば、薄毛を気にして我慢し続ける必要はありません。プロのサロンで丁寧に染めてもらえば、ダメージを最低限に抑えることができます」とのこと。

「ただし」と銀クリの担当者は強調する。「今挙がったような帽子やヘアカラーのダメージは、成人男性が薄毛になる原因の大半を占めるAGAとは因果関係がありません。AGAの発症のメカニズムは、男性ホルモン(テストステロン)に5αリアクターゼという酵素が作用して作りされる悪玉男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)が毛母細胞に作用し、髪の毛の成長を抑え、髪の寿命も短くしてしまう……というもの。"頭皮の健康"といった問題とは全く別の原因によるものなのです」

AGAは早期治療で効果大

だからこそ、切実に薄毛に悩んでいる男性には、帽子の蒸れや紫外線のダメージを過度に気にするより前に、科学的根拠のあるAGA治療を検討してもらいたい。AGAは進行性の病気のため、早期治療がポイントになる。「正常な状態と比べると5倍以上の速さで髪の毛が生え変わるAGAは、発症から時間が経つほど、抜け毛や薄毛症状が進みます。最大限の治療効果を得るには早期治療がベストなのです」と銀クリは強調する。

「その人にあった治療薬の選択や服薬の調整、治療のはじめ時ややめ時などカウンセリングによる患者さんのニーズの的確な把握が治療には不可欠です」(銀クリ)。どのような症状にどのような対処をするのかは、それぞれの医療機関ごとに個別に蓄積されたノウハウによるところが少なくない。銀座総合美容クリニックでは、これまで約185万人に対する治療実績で培ったノウハウがあり、たくさんの臨床経験を積んだ多くの医師が診察を行っているという特徴がある。

 薄毛が気になり出したら巷の噂に振り回されるのではなく、早めに医療機関に相談したい。その際には、自分の持っている疑問に丁寧に答えながら、その人にあった適切な治療を提案してくれる医療機関を選びたい。それまでの薄毛に対する様々な疑問も払拭できるはずだ。

銀座総合美容クリニック 公式サイト >

INFORMATION

銀座総合美容クリニック

公式サイト:https://www.gincli.jp/
(東京院)東京都港区新橋1-9-5 KDX 新橋駅前ビル 4~5階
(大阪院)大阪市北区曽根崎新地1-4-20桜橋IMビル15階
※診療時間(完全予約制)
月・火・木・金・土 11:00~20:00
日・祝 11:00~19:00
休診日:水曜日

料金:初月1000円、2カ月目以降は、AGA治療内服薬2000円~1万9250円(※保険外の自由診療)
相談・予約は東京・大阪共通のフリーダイヤル(0120・972・335)か、公式サイトから