「ストレッチやダイエット目的で女性が行うもの」というヨガの認識が変わってきている。教室には男性や高齢者の姿も増えているという。経営者やビジネスパーソンにも人気が高いヨガの魅力とは。
「ヨガ=ストレッチやフィットネス」ではない!?
近年、日本でもヨガ愛好者が増えている。
かつてはヨガといえば、女性がフィットネスやストレッチ目的で行うものというイメージが強かった。しかし今や、ヨガはすっかり生活に溶け込み、リラクゼーションやストレス解消に取り入れる人も増えた。
「そもそもヨガは、ストレッチや筋トレ、フィットネスを目的としたものではありません。ヨガは本来、本当の自分を知り、人生をよりよく生きていくために行うものなんです」
そう話すのは、ヨガやピラティスの指導者養成コースも多数修了しているヨガ・ピラティス上級者の清水孝光さん。ヨガをライフスタイルの1つとして習慣化するため、オリジナルで正統派のヨガレッスンを提供している株式会社ZEN PLACEが開発した、3ヶ月集中的にヨガを習得する特別プラン「Yoga for Well-being」を終えたばかりだという。
清水さんが受講した同コースは、瞑想を起点に「本当の自分」を知り、明るく前向きでウェルビーイングな人生の実現を目指すプログラムだ。「ウェルビーイングとは何か」という基礎知識や、ウェルビーイングになるために必要な身体の状態、ヨガのボディワークの正しい方法などを講義で学び、それをグループレッスンとプライベートレッスンで実践することで身につける。
清水さんはIT技術者・経営コンサルタントだ。本業では業務分析を行ってデータ構造を設計し、データベースを実装している清水さんがヨガをはじめたのは、意外にもぎっくり腰がきっかけだったという。
それ以前は、ヨガにもピラティスにもまったく興味がなかったという清水さん。「2014年に息もできないようなひどいぎっくり腰になりまして……。このままではマズい、何か身体を鍛えなければと思って、ピラティスに通いはじめました。その後ヨガもはじめ、今はピラティスとヨガ、どちらも楽しみながら続けています」
身体を変えるはずのヨガで「意識が変わる」
当初ヨガには痛いイメージがあったという清水さん。「zen placeに通い始めたころは、ただでさえぎっくり腰で痛かったので、これ以上痛いのはイヤだと思い、まずは当時ブームになっていたピラティスのコースからはじめました。更衣室では同じような理由でピラティスをはじめた人にたくさん会いましたよ。あそこが痛い、ここが痛いと、まるで整骨院の待合室のようでした(笑)」
その後、zen placeのヨガスタジオもあることを知った。「近くのスタジオに行くようになりました。ヨガを体験してみると、身体の内部の微細な働きかけを感じられることが面白くて、これなら続けられるのではないかと思い、ヨガのレッスンにも通い始めました」
ヨガを続けるうちに、清水さんはピラティスの学びも深まって、ピラティスのインストラクターから「意識が変わりましたね」と声をかけられるようになったという。
「zen place のヨガは、ポーズの美しさより安全に心身機能を向上させることを重視しています。正しい姿勢に整え、身体を支える内側筋肉を働かせて安定させて、心身の空間を広げて解放していくのが特徴です。また、形は同じポーズでも、立位と逆立ちでは重力方向が変わります。そういった変化を通して、ビジネスにおける外部環境変化への対応力を育むことにもなると思います」
身体が変わると、それによって心も考え方も変わっていく。これが「意識が変わった」原因だろうと清水さんは推察する。
「ヨガは痛いというのも、思い違いだった」と清水さんは話す。「それまで『ヨガ=痛い』と思っていたのは、私が形に囚われて無理をしていたからだったんです。でも、本来のヨガの目的は、身体を動かすことでも難しいポーズを決めることでもなく、“今この瞬間”に意識を向け続け、自分にとって最適な生き方を探っていくこと。これが本来のヨガなんだとわかったことも、私の人生にとっては、大きな収穫でした」
ヨガを取り入れることで、よりよい人生に
それにしても、ヨガ・ピラティスの上級者である清水さんが、なぜいまさら初心者も入れる集中コース「Yoga for Well-being 3ヶ月集中コース」を選んだのか。その理由を尋ねると、2つの理由を教えてくれた。
「ひとつには、ヨガをライフスタイルに取り入れることで、自分の心と身体をもっとよくしていきたいという気持ちがあったからです。ふたつめは、仕事にヨガを生かすためにも、あらためてヨガの基本に立ち返りたかったのも理由です。このウェルビーイングのコースはヨガのエッセンスを優しく学べるのでとてもいいと思いました」
「Yoga for Well-being 3ヶ月集中コース」では、ヨガのポーズができることは目指さない。代わりに、ヨガに必要な知識とボディワークを「学ぶ→理解する→習慣にする」という流れで身につけることで、それぞれの参加者のウェルビーイングな状態を目指していく。ヨガ初心者はもちろん、経験はあるけれど長続きしなかったという方もヨガを楽しく継続でき、本当の意味でのウェルビーイングを実現できるようプログラムされている。
ヨガで学んだ「最適解を導く」スキル
ウェルビーイングは、過去や未来にとらわれず、柔軟性をもってポジティブに「今ここ」を進んでいかなければいけない経営者にこそ求められる資質でもある。そのためか、同社の「Yoga for Well-being 3ヶ月集中コース」には、経営者や、理学療法士やスポーツ関係の医療に関わる方も多く参加しているという。
「このコースを受講すると、ヨガのポーズを通して今の自分の状態を探ることができるようになります。身体の内側への意識を高め、身体をゆるませることができるようになると、心もリラックスして、内臓や自律神経が本来の正常な状態に戻るので、身体的にも精神的にもベストパフォーマンスを出しやすくなるのではないでしょうか」と、経営コンサルタントの清水さんは話す。
コロナ禍や国際情勢の影響で、働き方や組織のあり方も劇的に変わった。「VUCA(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)の時代」といわれる先の見えない今の時代、ヨガの基本を習得することで、外部環境がどんなに変わっても、その変わっていく環境に自分を適応させながら、常に最適解を導き出すことができるスキルは、ビジネスパーソンにとって大きな強みになる。
ここ数年は、自身の病気や身内の不幸などが重なり、プライベートでも大きな変化があったという清水さん。「ネガティブな要素があっても、それを進化のためのチャンスと前向きにとらえるのもヨガ」と話す。「ヨガの思想は、様々な要素を洗練させながら統合していくというインターネットの設計思想とまったく同じです。つまりヨガは、現実を踏まえたうえで、個人の成功や世界の進歩を導く、イノベーションの実践ツールなんだと、私は思っています」
「忙しい」といわれる経営者やビジネスエリートがヨガに注目するのは、フラットな「本来の自分」を核に持ちながら、「集中」と「リラックス」でベストパフォーマンスを引き出せるようになるところにあるのだろう。
一方、ヨガは続けなくては意味がない。そこで「Yoga for Well-being」では、「忙しくて通う時間が取れない」という方でも続けられるよう、さまざまな工夫がなされている。いつからでも始められ、どのスタジオでも受講できるほか、オンライン受講も可能だという。
「もちろん、これまで運動経験があまりない方や、年齢と共に体調の変化を感じている方にも大きなメリットがあると思います。背骨がすっと伸びあがった姿勢ができるようになると、それだけで自己肯定感が高まりますから」(清水さん)
ウェルビーイングな人生を送ることは、自分だけではなく、家族や友人など、まわりの人をも幸せにする。「本物のヨガ」を続けることで、身体が変わるのはもちろん、心と脳もリセットできて、仕事にも人生にもイノベーションが起こせる可能性があるならば、試してみる価値はある。
INFORMATION
zen place 3ヶ月ヨガ集中コース
「Yoga for Well-being」
ヨガ初心者から経験者まで!
ウェルビーイングになるための
レッスン×座学の集中コース
撮影:釜谷洋史