“呪われたプロレス一家”の実話を映画化した『アイアンクロー』から、メインキャスト5人がダンスを披露する結婚式シーンの本編映像が解禁になった。
本作は、“アイアンクロー=鉄の爪”を得意技とした伝説的プロレスラーである父フリッツ・フォン・エリックの教えに従ってプロレスの道を選び、世界王者になることを宿命づけられた兄弟の実話を描いた人間ドラマ。先日ハリウッド殿堂入りを果たした『ハイスクール・ミュージカル』のザック・エフロンが主演を務めるほか、大ヒットドラマ「一流シェフのファミリーレストラン」のジェレミー・アレン・ホワイトや『逆転のトライアングル』のハリス・ディキンソン、『ベイビー・ドライバー』のリリー・ジェームズなど、近年活躍が目覚ましい話題の俳優たちが共演している。
この後の悲劇を感じさせない幸福なワンシーン
今回公開されたのは、主演ザック・エフロン演じる次男・ケビンと、リリー・ジェームズ演じるパムの結婚式を収めたワンシーン。2人を挟んで横に並ぶのは、揃いのグレーのタキシードに身を包んだフォン・エリック家の兄弟たちだ。左から三男・デビッド(ハリス・ディキンソン)、五男・マイク(スタンリー・シモンズ)、そして右端の四男・ケリー(ジェレミー・アレン・ホワイト)が一列になり、息の揃ったラインダンスを披露する。
いつしか“呪われた一家”と呼ばれるようになったプロレス一家の兄弟だが、この後に訪れる悲劇をいささかも感じさせない、仲睦まじいダンスシーンは映画の中でもまばゆい印象を残している。
シーンを彩るジョン・デンバーの名曲
同シーンで流れる音楽は、シンガーソングライター、ジョン・デンバーが田舎暮らしを朗らかに歌い上げた1975年のヒットソング「Thank God I'm a Country Boy(邦題:すばらしきカントリー・ボーイ)」。
「Take Me Home(邦題:カントリー・ロード)」などの名曲で知られるニューメキシコ州出身のデンバーだが、ドイツ系の厳格な父親のもとで育ったという経歴は本作の主人公・ケビンとの悲しき共通点も垣間見える。
また、ザック・エフロンは「ハイスクール・ミュージカル」シリーズや『ヘアスプレー』、『グレイテスト・ショーマン』、リリー・ジェームズは『マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー』など、それぞれミュージカル作品で活躍してきたふたりの共演とキレのあるパワフルなダンスにも要注目だ。
大仁田厚「プロレスラー人生初の大流血はフリッツのアイアンクロー」
そして、公開に先駆けて本作を鑑賞した著名人13名の声も公開に。新日本プロレスの棚橋弘至、真壁刀義、「俺のプロレスラー人生初の大流血は、フリッツ・フォン・エリックに浴びせられたアイアンクローだった」という大仁田厚らプロレスラーをはじめ、水道橋博士、ビビる大木などプロレスファンもコメントを寄せている。
なかでもTHE RAMPAGEの武知海青は「僕には姉が2人おり、小さい頃から一緒にダンスをしていたので、自分の人生と少し似ている部分もあり、より一層入り込んで見入ってしまいました」と自らを重ね合わせたことを告白している(50音順・敬称略)。
ISO(ライター)
性規範なんてク◯喰らえだと考えていても「男たるもの泣くな 強くあれ」という
幼い頃から刷り込まれた呪いの言葉からは簡単には逃れられない。
強くあるため、傷付いていることに気付かないふりをしている人もたくさん見てきた。
この筋肉隆々な「呪われた一家」の歴史は、これまで見過ごしてきた
自らの傷を私たちに再発見させ、その痛みを少し肩代わりしてくれる。
ああ、もっと早くこの映画に会いたかった。
今成夢人(プロレスラー/映像作家)
NWA世界ヘビー級王座。プロレス最高峰のベルトを手にすれば、成功すると思っていた。しかし栄光と呪縛は表裏一体。レスラーは何故、技を仕掛け、技を受け、過酷なダメージを抱えながらリングに立つのか? 鍛え抜かれたザック・エフロンの肉体を通じて観客はプロレスの魔力を否が応でも追体験させられる。“鉄の爪”に捕獲された観客たちはスクリーンというリングの前でタップアウトするしかないのだ!
大仁田厚(プロレスラー)
俺のプロレスラー人生初の大流血は、フリッツ・フォン・エリックに浴びせられたアイアンクローだった。息子たちとも対戦した。プロレスを知らない人も観てくれ。父と息子の関係性と兄弟の絆に、時に苦しく、時に胸が熱くなる。ケビンのひと言「家族と一緒にいたい」が心に残る。しかしハリー・レイス役、似てたなぁ(笑)。
加藤よしき(ライター)
幻想の世界<プロレス>に命を懸けた伝説の一族!
しかし、その覚悟が一族を悲劇へ導く!
一族の哀しき努力の空回りは、大事なことを教えてくれる。
苦労があまりに報われない時は、転職しましょそうしましょ…
上福ゆき(タレント/プロレスラー)
私プロレスラーだけど、プロレスラーってやっぱ凄い!ザックは勿論、役者さん達の身体の作り込まれ様が半端なくて、俳優業にも相当なリスペクトが生まれました。とにかくザックが最高すぎてぶっちゃけそれだけで満足ですが、誰かを倒すために、自分が1番になるために、人生を狂わせながらも夢中に必死に鍛錬してもやっぱり自分の最大の敵は自分だなと、強く生きようと思えました。
北村紗衣(英文学者)
ザック・エフロン演じる家族思いの真面目なケビンは、感情を抑えるのが「男らしい」よいことだと思っていたため、自分の気持ちに素直になる機会をもらえずに生きてきました。そんなケビンが長い時間をかけて最後にやっと自分のやさしさと悲しみに向き合えるようになります。この映画のどんな試合よりも大きな勝利です。
水道橋博士(漫才師)
プロレスは人生の縮図だ。
事実は映画より奇なり。
家族は映画より奇なり。
故に我々は映画から
人生と家族を学ばなければならない。
映画にはエンタメを超えた力がある。
だからこそ魂を鷲掴みにされるのだ。
武知海青(THE RAMPAGE)
一言で言うと【衝撃】でした。
実話に基づいて作られた作品という事で、実際にあった事なんだと思いながら見ていました。
純粋にプロレスラーのお話かと思っていましたが、この映画には家族との関係や人間関係、仕事、夢、兄弟関係と想像していたよりも多くの世界を見させていただきました。
どの世界も僕が知らない世界ばかりで、まさに衝撃を受けた瞬間が何度もありました。
きっと見る皆様の胸にも響く事があると思います。
そして、僕には姉が2人おり、小さい頃から一緒にダンスをしていたので、自分の人生と少し似ている部分もあり、より一層入り込んで見入ってしまいました。
棚橋弘至(新日本プロレス所属プロレスラー/新日本プロレスリング株式会社代表取締役社長)
エリック一家は「悲劇の一族」という漠然としたイメージ。
いつからか、映画のテーマを探したり、何かを得ようとする癖が付いてしまいましたが、今回は何だったと思います?
とにかく攻撃力が高い作品。あなたは最後まで、受け身を取れますか?
ビビる大木(タレント)
父親に何を思い、兄弟に何を思い、故郷に何を思ったのか? エリック一家とは一体? 偶然なのか? 呪いなのか?
最後に一枚の写真が出てくる。それはケビン・フォン・エリックが必殺技「アイアンクロー」で掴んだもの。
プチ鹿島(時事芸人)
中1のときに近未来の世界王者・デビッドが日本で亡くなったショックは今も忘れない。そのあとエリック一家に起きたことも。
プロレスファンからするとこの「実話」をよくぞ映画化してくれたと思う。
そしてちょっと前なら悲話だけでも包めたであろうこの題材を、家族を考える作品にしていた。間違いなく、「今」の映画だ。
真壁刀義(新日本プロレス所属プロレスラー)
父親の存在が強すぎる環境で、プレッシャーに負けず
栄光を手にするまで努力する主人公に心から「頑張れ!」と言いたくなる。
兄弟の挫折と死を目の当たりにしても、周りの期待を背負って奮起する姿。
プロレスラーなら誰もが知っている実話だが、これまで勘違いしていた部分や思い込みが払拭されたし、改めて映像で見せられるとより心に迫るものがある。俺も頑張る力が湧いてきた!
吉田豪(プロインタビュアー)
いわゆるプロレス映画の中でも、再現レベルは確実にトップクラス! “エリック一家の呪い”が超常現象ではなく、ある種の人災だということがよくわかります。
『アイアンクロー』は4月5日(金)公開。
STAFF & CAST
監督・脚本:ショーン・ダーキン/出演:ザック・エフロン、ジェレミー・アレン・ホワイト、ハリス・ディキンソン、モーラ・ティアニー、スタンリー・シモンズ、ホルト・マッキャラニー、リリー・ジェームズ/2023年/アメリカ/英語/132分/配給:キノフィルムズ
提供/(株)キノフィルムズ