赤い羽根をシンボルとした共同募金は約80年の歴史を有する民間の募金運動だ。愛着ある地域のために役立てられるほか、大災害の発生時には都道府県の枠を超えた支援にも生かされる。

中央共同募金会 会長 村木厚子氏
中央共同募金会 会長 村木厚子氏

 赤い羽根共同募金は、一人ひとりの思いやりや優しさに根差した“たすけあい”の募金活動だ。都道府県共同募金会(以下、県共同募金会)が実施主体となり、全国の市区町村で募金活動を展開している。集まったお金は、地域の孤立や虐待、見守りなど地域課題の解決に活用されるほか、広域の災害支援にも生かされる。

 中央共同募金会会長の村木厚子氏は「近年頻発する大規模災害に、被災地のみで対応するのは限界があります。そこで都道府県域を超えた“たすけあい”の仕組みとして、毎年、赤い羽根共同募金の3%を災害等準備金として積み立てています」と説明する。令和6年能登半島地震(以下、能登半島地震)では、石川、富山両県の災害ボランティアセンターを支援するため約3億3千万円の災害等準備金を県共同募金会が拠出。同センターを通じて延べ13万人のボランティアが、被災した家屋の片付けなどを進めている。

災害ボランティアセンターを通じて、ボランティアが家屋の片付けや掃除などに汗を流した
災害ボランティアセンターを通じて、ボランティアが家屋の片付けや掃除などに汗を流した

 同時に中央共同募金会の独自事業として「災害ボランティア・NPO活動サポート募金(通称ボラサポ)」を通じた支援も展開する。「災害支援のノウハウを有しているボランティア団体やNPOは、非常に頼もしい存在です。能登半島地震のボラサポに対しては、10億円を超える善意が寄せられました」と村木氏。集まったボラサポの支援金を生かし、重機を用いた瓦礫撤去、弁護士や税理士らによる相談支援、孤立予防のためのサロン活動など多面的な支援が展開されている。

「人とのつながりが感じられてこそ、人は前を向くことができます。物理的な援助はもちろん、全国の方々が被災地に心を寄せて『助けたい』と行動してくださることそのものが、被災された方々の心の支えになっています」と村木氏。

ボラサポの支援を受けたNPOが、被災者の命を守るために、避難所に食料や日用品を届けた
ボラサポの支援を受けたNPOが、被災者の命を守るために、避難所に食料や日用品を届けた

「普段から地域の小さな“たすけあい”を積み重ねていくことで、大きな災害に打ち勝つ力が生まれます。ぜひ、赤い羽根共同募金への寄付を通じて、身のまわりの“たすけあい”の絆を育てていきましょう」

お問い合わせ
赤い羽根共同募金
社会福祉法人中央共同募金会
TEL 03-3581-3846
メール kikin@c.akaihane.or.jp
https://www.akaihane.or.jp