電車の中でよく見かけるオンラインAGA治療の広告。「いつでも、どこでもスマホでOK!」「初診料、診察費は無料!」等々、薄毛に悩む人にとっては魅力的な言葉がならんでいる。でも、本当に大丈夫なのか。男性型脱毛症(AGA)は悪玉男性ホルモンが引き起こす病気。しかも、症状を改善するのはなかなか難しいという。“タイパ・コスパ”重視のオンライン治療を選ぶのか、目の前で医師にじっくり診察してもらえる対面治療を選ぶのか。あとで後悔することがないように、一度じっくり考えてみては……。

ハードルが低い「オンライン診療」だが 

 有楽町のガード下、焼き鳥の煙が立ち込める居酒屋で、ジョッキを傾ける若手サラリーマン二人。顔を寄せ合って、なにやら深刻な相談ごとらしい。

「最近、抜け毛がひどいんだよね。朝起きると、枕に髪の毛がびっしり」

「やばいね。ゲームのやり過ぎで、生活が不規則になってんじゃないの?」

「いや、抜け毛が気になってからは、夜更かしはやめた。食事もきちんととるようにしてるし、シャンプーも高いやつに変えたんだ」

「それでも、ダメ?」「うん。生え際が徐々に後退してる気がする」

「じゃあ、あれだよ。今さかんに広告してるやつ。AGAだっけ」

 抜け毛に悩むサラリーマンくんはなかなかのイケメン。いまのところ髪の毛はふさふさしているが、これが目に見えて薄くなってきたら本人はショックだろう。ジョッキ片手に真剣な面持ちだ。

「AGAって、病院に行かないといけないのかな?」

「オンラインでも診てもらえるんじゃない。地下鉄でそんな広告を見かけたよ」

「オンラインなら気が楽だな。よし、それだ」

 さて、このサラリーマンくんの選択は、はたして正しいのか……。

 まずはAGAについて、これまでに累計185万人の治療実績をもつ銀座総合美容クリニック(銀クリ)の医師に訊いた。

「AGA(男性型脱毛症)は悪玉男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)が引き起こす疾患です。悪玉男性ホルモンは髪の毛が生えてから抜けるまでのヘアサイクル(毛周期)を乱し、それまで2~6年おきに生え変わっていた髪が、十分に成長しないまま数週間~数カ月で生え変わるようになってしまいます。一方、髪の毛を作り出す(もう)()細胞は無限に分裂できるわけではありません。時間の経過とともに髪の毛を作り出す力は弱くなり、最終的には毛を生やすことが出来なくなってしまうんです」

 医師によれば、AGAは進行性の疾患なので、早期治療がなによりも大事だという。

「病院に行くのが恥ずかしい。病院に行くヒマがない。そういう患者さんにとって、気軽に診てもらえるオンライン診療は朗報ですね。ハードルが低くなることで、早期治療につながりますから。ただ、利便性だけをうたうオンライン診療だけでは、十分に治療の効果をあげることができないかもしれません」

©AFLO
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最大の効果を引き出すのは、どっち?

 例の居酒屋の二人は働き盛りのサラリーマン。毎日の仕事に追われて、病院に足を運ぶ時間を捻出するのは難しいのだろう。

「薬さえ処方してもらえれば、AGAは大丈夫らしいぞ」

 そんな二人の会話も聞こえてきた。

 AGAの治療は、悪玉男性ホルモンをブロックする治療薬や、毛母細胞を刺激して発毛をうながす治療薬を組み合わせて行う。現状では治療に使える薬の種類がまだ少ないことから、「どこで診てもらっても処方される薬は同じ」というウワサがまことしやかにささやかれているのだ。

 しかし、薬の選択肢が少ないAGA治療において効果を期待するためには、薬の用量、濃度、服用方法がその患者の状態によって異なる。だからこそ、銀クリでは対面でしっかりと髪の毛の状態を確認するのだ。

「問診」はもちろん、専用のスキャナーをつかって目視ではわからない頭皮の状態まで見る「視診」、毛髪のボリュームや生え際の状態を実際に触って確認する「触診」、この「三診」が必須とされている。その診断結果をもとに治療計画を立て、症状にあわせて薬を処方する。いわばオーダーメイドスタイルだ。一方、モニター越しのオンライン診療では、そこまで細かいチェックはできない。薬もあらかじめセットされたものを定期的に送付するだけの“サブスク治療”が多い。

「気をつけないといけないのは、薬の副作用についてもです。発毛をうながすミノキシジルはもともと高血圧症の治療薬として開発されたものなので、循環器系のリスクをもっている人は注意が必要です。また、悪玉男性ホルモンをブロックするフィナステリドやデュタステリドは、前立腺肥大症の治療薬として開発されたもので、まれに性欲減退や勃起機能不全といった副作用が出る場合があります」(銀クリ医師)

 治療にあたっては、月に1度通院してもらって、副作用が出ていないかチェックする。それと同時に、髪の毛の状態を確認しながら、用量や濃度を微調整する。状態をチェックしながらの細かい処方の調整、それがあってはじめて最大の効果を引き出すことができるのだ。他の薬剤を追加して効果のブーストアップを図ったりすることもあるという。

「治療開始から6カ月間はそういう細かい対応が必要ですね。患者さん一人ひとりの途中経過をしっかり観察しながら、個別に薬の用量、濃度、服用方法などを調整していくのが、AGA治療においてはいちばん重要なポイントなんです。症状ごとにどのように対応するか、その知見はそれぞれの医療機関で個別に蓄積されています。我々には累計185万人という業界最多の“対面”での治療実績がありますから、そこで蓄積したノウハウや技術が治療に活かされているんです。オンラインだけで患者さんの状態をきちんと診ずに治療の知見を増やすというのは、ちょっと難しいと思います」

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オンラインと対面、いいとこ取りをめざそう!

 さらに、オンラインの場合「なかなか効果が出ない」「効果が出ても維持するのが難しい」と途中で治療をやめてしまう人が多いという。AGAの治療にはどうしても時間がかかる。やはり月に1度でも医師と対面でコミュニケーションをとりながら、効果を確認することが、治療を続けていくうえで大切なのだ。

 銀クリで治療中の30代男性に話を聞かせてもらった。

「治療を開始して2週間ぐらいで、急に抜け毛が増えたんです。“初期脱毛”という現象だそうですが、先生が対面できちんと説明してくれたので、不安はすぐに解消しました。薬の副作用も出なかったし、その後は順調ですね。月に1回の診察の際、初診のときに撮影した写真と比較するんですが、変化がはっきりとわかるようになってきました。『いいですね。順調です』という先生の言葉に励まされて、『よし、がんばるぞ』という気になるんです」

 この男性も最初はオンラインにするか、対面にするか、迷ったそうだが、「銀クリを選んだことはベストチョイスだった」という。

「治療の効果がある程度見えてきて、いまは“維持期”に入ったので、対面とオンラインを組み合わせています。これなら通院の手間を減らしながら継続して治療が続けられるので、効果を維持することができそうです」

 オンライン診療が一番適しているのは、症状の改善時期を終えて、効果がある程度安定してきた頃だろう。続けやすさだけを考える時期であれば、オンラインのメリットも享受できる。 

「きちんと診てくれる」対面診療の安心感、「いつでも、どこでも」というオンライン診療の利便性、そのどちらも捨てがたい。二つのいいとこ取りができる経験豊富なクリニックを選ぶことがなにより大切なのだ。

銀座総合美容クリニック 公式サイト

INFORMATION

銀座総合美容クリニック

公式サイト:https://www.gincli.jp/
(東京院)東京都港区新橋1-9-5 KDX新橋駅前ビル 4~5階
(大阪院)大阪市北区曽根崎新地1-4-20 桜橋IMビル15階
※診療時間(完全予約制)
月・火・木・金・土 11:00~20:00
日・祝 11:00~19:00
休診日:水曜日

料金:初月1000円、2カ月目以降は、AGA治療内服薬2000円~1万9250円(※保険外の自由診療)
相談・予約は東京・大阪共通のフリーダイヤル(0120・972・335)か、公式サイトから