『殺し屋のプロット』は、病によって記憶を失いつつある孤高の老ヒットマンが、人生最期の完全犯罪に挑むLAネオ・ノワール。『バットマン』や『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』で知られるハリウッドの名優マイケル・キートンが監督・主演・製作の三役を務めた、彼にとってキャリアの集大成とも言える一作だ。共演にはアル・パチーノ、マーシャ・ゲイ・ハーデン、ジェームズ・マースデン、ヨアンナ・クーリクら豪華キャストが集結。孤独な殺し屋の“終幕”を描き出す本作は、古典的なフィルム・ノワールのエッセンスを現代に継承する作品として、米Variety誌でも「デヴィッド・フィンチャー監督『ザ・キラー』を凌駕するLAネオ・ノワール」と絶賛された注目作だ。このたび、本作の公開に先駆け、マイケル・キートンからコメントが到着した。
複雑すぎた25日間の撮影
本作でキートンが演じているのは、博士号を取得し大学で教鞭をとっていたこともある元陸軍偵察部隊の将校、ジョン・ノックス。ただし、それは表の経歴で、“殺し屋”という裏の稼業を、老ヒットマンとなった現在に至るまで完璧にこなしてきたプロフェッショナルだ。しかし、キートン本人はいわゆる“殺し屋映画”を撮りたかったわけではないという。本作についてキートンは次のように説明している。「殺し屋映画というのは、すでに他の人たちが撮っているし、それ以上のものは撮れないと思っていた。でも、この脚本は違ったんだ。主人公・ノックスにとって殺し屋という仕事はただの生業にすぎない。映画の中心となるのは人間関係なんだ。疎遠になった息子(ジェームズ・マースデン)や前妻(マーシャ・ゲイ・ハーデン)、そして良き友人でありメンターでもあるゼイヴィア(アル・パチーノ)とのね」。
キートンが語っているように、複雑に絡み合うプロットのなかでキートンと共演陣が築き上げる人間関係が本作の肝となる。驚くべきは、彼がこうした関係性をリハーサルの時間無しで作り上げたことだろう。撮影中の苦労について、キートンはこう振り返っている。「私はバカ正直だから、この映画の撮影がタイトで、リソースが限られていることを最初から映画に関わるみんなに伝えたんだ。全てのキャストにリハーサルの時間が無く、予算も限られていて、撮影も25日間しかなかったんだ。今回の制作過程は、本当に複雑でね。だから私はこの映画を“ジェンガ・ムービー”と呼んでいたよ。一部でも欠けてしまうと、ストーリー全体が崩壊してしまうような作品なんだ」。
ただ、そんなタイトなスケジュールのなかで功を奏したのが、キートンが監督・主演・製作を兼ねていたことだったという。今回、重要な3役を兼任したことについて、キートンは「監督と主演と製作を兼ねることで、いつもより効率的に動けたんだ。自分のキャラクターを理解しているから、より早く動けるし、自分自身と議論する必要もなかったからね」とポジティブに語っている。そして、最終的には今回の映画の出来に満足しているそうで、「今回は限られた時間の中で、達成すべきことや成し遂げるべきことが山ほどあったけど、この映画をとても誇りに思っているよ」と自らの集大成とも言うべき一作に太鼓判を押している。
『殺し屋のプロット』は12月5日より、kino cinéma新宿ほか全国公開!
『殺し屋のプロット』
監督・製作:マイケル・キートン
出演:マイケル・キートン、ジェームズ・マースデン、ヨアンナ・クリーク、マーシャ・ゲイ・ハーデン、アル・パチーノ
2023年/アメリカ/英語/カラー/ビスタサイズ/115分/原題:KNOX GOES AWAY/字幕翻訳:大城弥生/映倫区分:G
提供:木下グループ 配給:キノフィルムズ
公式HP:https://kga-movie.jp 公式X:@5648_plot
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