「ねえママ、飽きた。早く帰ろう!」
薬局の混み合った待合室で、小学生になったばかりの息子が声を上げた。
「もう少し待ってね」
ユミコは息子を落ち着かせようとする。大通りに面したこの店舗は、近くに内科、耳鼻科、皮膚科があり、薬をもらうために多くの患者が集まる。そのため、いつも薬をもらうのに長い時間が掛かる。
「えー、やだー。外で走ってきていい?」
「危ないから駄目。車が通るでしょう」
「じゃあ踊っていい? ウォー、ウォー、ウォー、ウォー」
YouTubeで見た踊りを真似し始める。息子の両手を握って動きを止め「静かに待とうね」と、低い声で言った。
受付で処方箋を出してから、すでに20分が経っている。子供が大人しくできる時間をとうに超えている。自分の番が回ってくるのはいつだろう。病院と薬局で2時間ぐらいが潰れる。せめてこのどちらかでも時短ができればいいのに……。ユミコは、ため息を吐きそうになるのを、ぐっとこらえた。
自動ドアが開いて、外の新鮮な空気が入ってきた。顔を向けると、短い髪の颯爽とした姿の女性と目が合った。ママ友で同じ町内の鈴木マイだ。子供が同じ学年で、よく情報交換している。何事にもそつがないタイプで、お姉さんのような存在だ。
マイはユミコに、ひらひらと手を振った。そしてまっすぐ受付に行き、処方箋を手渡した。マイは、先に薬をもらって精算を済ませた。
「お先に」
マイは一声掛けて薬局を出て行く。
えっ、どういうこと? どうして処方箋を渡すだけで、先に薬を受け取れるの? お得意様?

「ねえ、ママ~」
息子がユミコの足をドラムのように叩き始める。ユミコは仕方がなく息子の相手をする。そして隙を見つけてマイにLINEでメッセージを送った。
――マイさん、薬をすぐもらってましたけど、あれ、何ですか?
――今忙しいから、夜の町内会の集まりで説明するね。
「ウォー、ウォー、ウォー、ウォー!」
「静かにしなさい」
こちらも、にわかに忙しくなってきた。質問は諦めて、ユミコはスマートフォンを鞄にしまった。
サクッと薬を受け取っていた、先輩ママの種明かし
その日の夜、ユミコは町内会館に行った。住宅街の隅にある二階建ての建物だ。
戸を開けて集会場に入ると、見慣れた顔の人たちがいた。長机の上には駄菓子の入った段ボール箱が見える。このあとみんなで、子供会で配るお菓子の袋詰めをする予定だ。
「マイさん」
薬局で会ったマイがいたので声を掛ける。マイはスマートフォンから顔を上げてこちらを見た。
「あ、ユミコちゃん。さっきはみっちゃんが大変そうだったね」
「本当に」
げんなりした顔をしながらマイの隣に座る。
「マイさんは、あの薬局の常連さんとかですか?」
問い詰めるように尋ねると、マイはゲラゲラと笑った。
「そんなたいそうなものじゃないわよ。アプリから処方箋を送っただけ」
「アプリ?」
「ユミコちゃんはダウンロードしていないの?」
何のことだろう。

「『いつでもアイン薬局』。たぶんユミコちゃんも入れているはずよ。あの薬局に初めて行った時、質問票をアプリで入力したって言ってたでしょう」
記憶をたどる。去年、息子が小学校に上がる前に、この町に引っ越してきた。最初に病院にかかった時、そういうことがあったような気がする。
「大昔のことだから覚えていません」
「引っ越してきたの去年だよね。1年も経っていないでしょう」
二人でぷっとふきだした。その頃の話をしたあと、アプリの話題に戻る。
「それじゃあ、少し教えてあげる」
マイは、どことなく得意げだ。
「あのアプリにはいろいろと機能があって、処方箋の送信ができるの。カメラで処方箋の写真を撮って送るでしょう。薬の用意ができたら通知が来るの。あとは薬局に行って、処方箋を渡して、受け取ればいいわけ」
手品の種を明かすようにマイは言う。
「子供を連れて行くと面倒でしょう。だから私はいつもあんな感じ。病院に子供を連れて行ったら、さっさと家に送って、職場に戻って仕事を再開するの。
職場で通知を受けて、仕事帰りに薬局に寄ればミッション・コンプリート。簡単でしょう」
「そんな裏技があったとは……」
ユミコはほとほと感心した。
「いやいや、初回に説明があったはずよ。あと、店頭にポスターも貼ってあるから」
マイの説明を聞いて、ユミコは肩を落とした。
「どうしたの?」
「私、気付いていませんでした」
「子供がいると、そうなるよね」
マイにも経験があるのだろう。子供ばかりを見ていて、回りが目に入らなくなるのだ。
処方箋の送信も、お薬手帳も、服薬指導も、みんなアプリでできる!
「それでね、これがさっき説明した処方箋送信のボタン」
マイは「いつでもアイン薬局」のアプリを起動してユミコに見せる。
「他には、お薬手帳の機能もある。処方薬だけでなく市販薬やサプリメントも登録できる。服薬アラームの機能も何気に便利よ」
「確かに便利そうですね。私、よく飲み忘れるんです」
「お母さんが忘れちゃダメじゃん!!」
マイがツッコミを入れる。
「あとは、オンライン服薬指導もあるわ。ビデオ通話で薬の説明を受けられる。チャットやビデオ通話で薬剤師に相談する機能もある。カレンダーで通院日を管理したりもできる」
「いろいろあるんですね」
ユミコは自分のスマートフォンを出して、アプリの一覧を表示する。スクロールしていくと見つかった。初めて薬をもらいに行ったときに入れていたようだ。
「それでは時間になったので作業を始めます」
町内会長の声が響いてきた。
「あっ、もうやめないといけないですね。家に帰ったら、いろいろと触ってみます」
「分からないことがあったら何でも聞いてね」
マイの言葉に、ユミコは笑顔を返した。
アイン薬局をもっと便利に利用できるアプリ
「いつでもアイン薬局」はこちら
家に帰り、子供を寝かしつけたあとにアプリを起動した。さっそく、今日行った薬局を登録する。
「えーと『新たなアイン薬局とつなぐ』を選ぶんだったよね。そして、ご利用薬局お客様番号を入力と」
番号は、薬局でもらった「おくすり説明文書」の右上にあるとマイに教えてもらった。画面をLINEに切り換えて、マイにメッセージを送る。
――登録完了しました。
――これで待ち時間短縮だね。登録店舗でもらった薬は、お薬手帳にも自動で登録されるよ。
お礼のメッセージを送り、床に寝転がって伸びをした。一仕事終えた気分だ。まだ使いこなせるかは分からないが、まずはこれでいいだろう。
「うー、ビールが飲みたい気分」
「一緒に飲む?」
夫が期待の眼差しを向けてきた。
「飲まない。気分だけ」
夫が残念そうな顔をする。大型犬みたいで可愛いなと思う。
「さて」
「いつでもアイン薬局」アプリに戻って「あいちゃん通信」というコラムを開いた。健康関係の気になるタイトルが並んでいる。今回の件をきっかけに、お薬や薬局のことをもう少し知りたいと思った。
「一日、一つぐらいのペースで読んでいこうかな」
ユミコは起き上がって、最初のコラムを読み始めた。
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