プラン・インターナショナル(以下、プラン)は、誰もが平等な世界の実現にむけ、世界80カ国以上で子どもや若者たちとともに活動する国際NGO。本記事では、プランの長年の支援者として数多くの活動国を訪ね、困難に直面している女性たちと交流してきた作家の角田光代氏に、支援活動への思いや遺贈寄付について話を聞いた。
プランは支援への一歩を後押ししてくれる存在
かくたみつよ(作家)1967年神奈川県生まれ。1990年に『幸福な遊戯』で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。その後『対岸の彼女』(直木賞)、『八日目の蝉』(中央公論文芸賞)、『かなたの子』(泉鏡花文学賞)、『私のなかの彼女』など著書多数。プラン・インターナショナルの支援者として、2009年から西アフリカのマリをはじめ、各国の活動地域を視察。
プランから支援活動への同行依頼が初めて角田氏のもとに届いたのは、2009年のことだった。行き先は西アフリカのマリ。プランが展開する女性性器切除(FGM)廃止に向けた取り組みを視察するのが目的だった。「以前読んだ本に、寄付したお金は現地に届くまでに手数料などが引かれ、わずかな金額になってしまうという記述があり、寄付や慈善活動に対してどこか懐疑的な気持ちがありました。だからこそ、この視察の話をいただいた時は、実際に現地を訪れ、どのような活動が行われ、寄付金がどう使われているか、自分の目で確かめたいと考えたのです」と当時を振り返る。
実際に訪れると、当初抱いていた懐疑は瞬く間に消えた。「FGMの慣習によって敗血症などで命を落とす女性が多いため『もうやめたい』という声が村の女性たちから上がっていました。欧米的な価値観を押し付けるのではなく、その声をサポートするためにプランをはじめ、世界各国の支援団体が活動していたのです。それを知ることができただけでも現地を訪れた意義は大きかったと思います」。
女性たちが議論を交わす中、村の男性が一人、黙々と椅子を並べ、飲み物を配っていた。「気まずくないのかなと思い、そう尋ねてみると『まぁ関わっちゃったからね、しょうがないよ』と返ってきました。それを聞いた時、『椅子を並べて』と言われたから並べる――。そのくらいの気持ちで支援活動に関わってもいいのだと気づき、肩の力がすっと抜けました」。
マリから帰国すると角田氏は「費用はすべて自腹でいいので、今後とも機会があれば参加させてほしい」と申し出て、ヨルダン、パキスタン、バングラデシュなどにも訪れた。
こうして世界的な課題に関心を持ち続ける一方で、角田氏はいま、自分自身の人生の終着点にも考えを巡らせている。実は遺言書の作成を進めているのだ。以前から税理士に勧められていたが、作ると縁起でもないことが起こりそうで後回しにしていた。「来年還暦を迎えることもあり、作成を決心しました」。遺言書には、遺贈寄付についても記す予定で、長年支援を続けてきたプランに財産の一部を寄付したいと考えている。
「プランの活動は『子どもと女性たちの教育や人権』にフォーカスされていて、非常にシンプルでわかりやすい点が特徴です」と角田氏。災害や戦争のような大きな課題に直面すると、無力感にとらわれがちだが「この状況で子どもたちは学べているのか」という問いから、支援に関わる糸口を見いだすこともできる。その意味でプランは、支援への一歩を後押ししてくれる存在といえよう。
「人生の後半になるにつれて、人は自分のためだけでなく、誰かのために何かをしたくなる気がします」と角田氏は話す。もし人生の集大成として、子どもや女性たちのために何かを遺したいと願うなら、プランへの遺贈寄付という選択肢があることを心に留めておいてほしい。![]()
支援者インタビュー
遺贈は「楽しかった思い出への恩返し」(Kさん・67歳)
終活の一環として遺言書を作成し、財産の一部をプランへ遺贈することを決めました。プランとの出会いは約30年前です。年齢を重ねるうちに自分は子どものいない人生を送るだろうと考え、次世代への支援を志しました。小さな力も集まれば大きな変化を生むと信じ、これまで寄付を続けてきました。
子どもも姪や甥もいない私の場合、遺言書がなければ遺産は面識のない親戚へ渡る可能性があります。それならば信頼を置くプランと、これまで触れ合ってきた途上国の子どもたちのために役立てたいと考えました。
人生を振り返り「楽しかった思い出への恩返し」として財産の一部を託す。遺言書を書き終えたいま、心は非常にすっきりとし、老後を迎える準備が整ったように感じています。
公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン
東京都世田谷区三軒茶屋2-11-22 サンタワーズセンタービル10F
TEL:03-5481-6100(平日9:00~17:30)
URL:https://www.plan-international.jp/
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