元若手社員が高齢顧客への強盗殺人未遂&放火容疑で逮捕されるなど、不祥事が相次いでいる証券界のガリバー・野村證券。なぜ、こんな事態を招いてしまったのか。背景にあるのは、社内で絶大な権力を握るトップの存在だった。
▶元社員の連続告発、高級ホテル取引先感謝の会が…
▶ゴルフ三昧会長は御殿購入、英国人執行役は17億円
▶富裕層担当1.5倍増「標的はボケかけ小金持ち老人」
2019年に建て替えられたラグジュアリーホテル「オークラ東京」(港区虎ノ門)。大宴会場「平安の間」は、優雅で落ち着きのある雰囲気を漂わせている。
11月26日の昼下がり。本来であれば、この部屋には証券会社の大口顧客たちが集っていたはずだった。ところが、会場はいつまでも静かなまま。それどころか、ホテルのスタッフたちは、配膳された皿を撤収しようと動いている。
入口に掲げられていたのは、こんな看板だった。
〈本日のお取引先トップ感謝の会は開催中止になりました〉
盛大な大宴会場まで準備していながら、急遽中止になったのは、野村證券が主催する「お取引先トップ感謝の会」だった。
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source : 週刊文春 2024年12月5日号