高齢者を悩ませる病の一つ、誤嚥性肺炎。免疫力の弱った人々を襲う、“最凶の病”からどう身を守ればよいのか。簡単な嚥下能力のチェック方法から、喉の鍛え方、食事法まで、この冬から始めたい6つの予防策を紹介する。
12月19日、読売新聞グループ本社代表取締役主筆の渡辺恒雄氏が、98歳で亡くなった。死因は肺炎だった。
人生百年時代の高齢者にとって肺炎は天敵である。2023年に肺炎で亡くなった日本人の97.8%は、65歳以上の高齢者だった。中でも、誤嚥性肺炎の死者数は年々増加の傾向にあり、23年の日本人全体の死因では6位で、6万186人に上る。
特に肺炎に気をつけたい季節が冬だ。空気が乾燥し感染症が流行。免疫力の低下した高齢者が誤嚥性肺炎を併発するためだ。
一般社団法人「嚥下トレーニング協会」の代表理事で、神鋼記念病院耳鼻咽喉科部長の浦長瀬昌宏医師が語る。
「誤嚥性肺炎という言葉から、食べ物を誤嚥することによって起きると誤解されがちです。しかし、主な発症原因は異なります。喉の中に唾液などの異物が溜まってしまい、それが気管に流れ込み、肺炎を引き起こすことが多い。特に、寝ている間は唾液の流れ込みに気づきにくいので、誤嚥性肺炎になりやすいのです」
気づかない間に感染しているため“隠れ誤嚥”と呼ばれることもある。
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source : 週刊文春 2025年1月2日・9日号