SNSの嵐吹き荒れた2024年。斎藤現象から、トランプ再選、韓国では戒厳令まで?そのような時代で“オールドメディア”の行末は――。大越健介氏と池上彰氏、長年ニュースの顔として活躍してきた2人が徹底討論!
池上 日本の総選挙やアメリカの大統領選挙を始め、2024年も世界中で大きな出来事が相次ぎました。従来と違うのは、SNSやYouTubeの果たす役割が大きくなったことです。
大越 韓国の尹錫悦大統領に1回目の弾劾訴追案が出された直後、ソウルへ取材に行ったんです。非常戒厳を宣布した際の大統領談話で「北朝鮮と野党議員が結託して、国家転覆を図ろうとしている」という陰謀めいた部分が引っかかっていたんですが、高名な政治アナリストに聞いたら、「尹大統領が過激な保守系ユーチューバーの情報ばかり見て、搦め捕られてしまっているのは間違いない」と言うんです。おとぎ話ではなかったんだと感じました。
池上 中継を見ましたよ。「エッ、韓国の大統領すらそんな状態なの?」と驚きました。戒厳の発令は12月3日火曜日の夜10時半だったので、テレビ各局の定時ニュースはほとんど扱いませんでしたね。
大越 『報道ステーション』(テレビ朝日系)は、放送時間内に間に合わなかったんです。23時台の各局のニュースは、まだどう扱っていいかわからないように見えました。
池上 私はそのあと、掴んだ情報をYouTubeで発信したのですが、すごい勢いで見てもらえて。「テレビが報じないニュースをいち早く取り上げてくれてありがとう」というコメントが付きました。
大越 YouTubeやSNSには、定時性がありませんからね。
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source : 週刊文春 2025年1月2日・9日号