2024年4月7日昼過ぎ、静岡県浜松市。遠州の晴れ渡る空の下、住宅地の豪邸前に迎えのタクシーが1台、滑り込んでくる。記者が駆け寄ると、ヘルパーの女性に付き添われタクシーに乗り込もうとする男性の姿があった。スズキの鈴木修相談役(享年94)である。
このとき、「週刊文春」は静岡県・川勝平太前知事の電撃辞職を巡って取材。リニア新幹線計画に「水源問題」で反対する川勝氏の後ろ盾だったのが、“静岡財界のドン”鈴木氏と目されていたのだ。鈴木氏は事態をどう受け止めているのだろうか——。
「週刊文春」記者の渡したノートに…
チェックのシャツに小豆色のカーディガン、黒のスラックスで姿を見せた鈴木氏。「東京からきた週刊文春です」と声を掛けると、タクシーの座席に座ってスライドドアを開けっぱなしにしながら、記者の渡したノートに筆談で答えた。
——川勝知事のことで。
「(10秒ほど時間をかけて) ノーコメント です」
——リニアには反対?
「一極集中するから」
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source : 週刊文春 電子版オリジナル