「クリスチャン・ディオールの女性幹部が今年1月上旬、警視庁に書類送検された模様です。容疑は部下の男性への暴行でした」(社会部記者)

 フランスに本拠を持つLVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンの傘下で、オートクチュール(高級注文服)やバッグ、宝飾品、コスメなどを展開する世界的ブランド、クリスチャン・ディオール。日本でも絶大な人気を誇り、俳優の北村匠海(27)や、木村拓哉の長女・Cocomi(23)ら著名人がジャパンアンバサダーを務めている。

アンバサダーとして発信(CocomiのSNSより)

 そんな煌びやかなイメージを持つディオールで、「暴行容疑で書類送検」されたとすれば、穏やかではない。一体、何が起きたのか。

「事件の舞台は、ディオールの日本法人である『クリスチャン・ディオール合同会社』。男性店長が部長級の女性幹部から臀部を触られるなどのセクハラを受けたとして被害届を出したほか、会社と女性幹部らを相手取り、民事訴訟も提起したのです」(同前)

原告と被告がほぼ争っていない面談でのやり取り

 実際に「週刊文春」は東京地方裁判所で裁判資料を確認した。双方の主張を基に、当日の出来事を再現してみよう。

 現場は東京都千代田区の永田町駅からほど近いディオール本社。2023年7月12日午後2時、本社の2階会議室に、都内店舗に勤務する30代男性店長A氏が呼び出された。待っていたのは、40代女性幹部のX氏と男性上司のY氏。面談の目的は、A氏が店舗スタッフに対しパワハラを行っているとの報告があったため、X氏やY氏が聞き取りを行うというものだった。その場には、別に2名の社員が同席したという。

東京高等地方簡易裁判所合同庁舎  ©︎時事通信

 A氏は指摘されたようなパワハラには心当たりがないとし、事実無根であると否定したものの、X氏はこう糾問した。

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source : 週刊文春 電子版オリジナル