1月18日から始まる大学共通テスト直前に、大学受験予備校「ニチガク」が閉鎖された問題。運営会社の日本学力振興会は1月10日、東京地裁に破産手続き開始の申し立てを行った。生徒数の大幅な減少などが影響し、資金難に陥ったとみられる。社員や講師だけでなくチューターと呼ばれる学生アルバイトへの給与未払いが発生していたことは#1で報じた通りだ。
事務局からチューターのグループLINEに、給与の遅延についての連絡が入ったのは昨年12月9日のことだった。
「給与振り込み日は毎月10日ですが、事務局から『支払いを30日に変更したい』という通達がありました。支払日前日になっての、突然の遅延報告に憤るスタッフも多かった。その日の午後、代表の江藤行雄氏がチューターを集めて説明会を開いたのです」(ニチガク関係者)
小誌は、説明会の様子を録音した音声データを入手。昨年4月1日付で代表取締役に就任した江藤氏は、約20分間にわたり会社の窮状を訴えた。
「(給与遅延の)理由は見て分かるように、生徒がほとんど入ってこなくなった。広告宣伝でお金を大量に使い、ネットで集客するという時代に乗り遅れて、結局にっちもさっちもいかない状態になった。今までは現金商売で銀行から借りることをしてこなかった。そして今は現金がかすれてしまい、もう日々の支払いにも困っている状態。これ、正直に言っています」
「明日からのことはみなさんにお任せします」
給与の支払いが遅れる原因は「現金商売」で、銀行から融資を受けるのを渋ってきたからだと説明。
「こういった事態に陥ったのは全て私の責任です。明日までに(支払いが)間に合わないのは断腸の思いです。何とか(12月)30日まで、待っていただければと思います。会社と一緒にずっとやり続けるつもりで、頑張ります」
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source : 週刊文春 電子版オリジナル