石破政権の命運もこれまで――そう感じたのか、高市早苗前経済安保担当相(63)がポスト石破への足場固めに動き出した。昨秋の総裁選で戦った相手陣営に次々とアプローチしているのだ。

 しかし、元来「仲間づくり」が課題とされてきた高市氏。今回も不用意な言動で次々と火種が生じている。

「党員投票で1位を取っていた私を、決選投票で敢えて外さなくてもいいじゃない」

 昨年12月に都内の飲食店で、高市氏が冗談めかして水を向けたのは岸田文雄前首相だ。

昨秋は21票差で総裁の座を逃した

 岸田氏は9人が出馬した昨秋の総裁選で、旧岸田派の議員らに「決選投票になったら高市だけはダメだ」と指示。第1回投票でトップの高市氏が、決選投票で石破首相に逆転負けを喫する要因を作った張本人だ。

 だが高市氏側近は話す。

「トップに立つには得意の保守系だけでなく、岸田氏のようなハト派にも理解を得なければならない。いざ再挑戦となったとき、極端な対立構造を作らないために、今のうちに党内の有力議員を懐柔したいのです」

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source : 週刊文春 2025年1月23日号