子供の頃、親戚のお兄ちゃんにオセロのコツを教えてもらった。「終盤まではできるだけ相手に取らせること」。たったそれだけ知っただけで、面白いように勝てるようになった。
対戦相手がコツを知らないプレイヤーに限られるけど、序盤から中盤にかけては、相手にどんどん取らせて優勢だと思わせておけばいい。終盤になると、相手は盤上が自分の色ばかりになって置く場所がなくなる。すると、そこから、あれよあれよという間に全部ひっくり返すことができるのだ。オセロは途中で取りすぎると最後に大逆転されるゲームだった。
小さな広告代理店で営業のアルバイトをしていた大学生の頃、上司から勧められ、デール・カーネギー著『人を動かす』を読んだ。この本を読んだ時、オセロのコツを習った時と同じ感覚を味わった。
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source : 週刊文春 2025年1月23日号