45歳を迎えるころから女性を悩ませる更年期障害。ほてりや不眠、冷え性や関節痛などの症状を和らげるにはどうすればよいのか。更年期障害の治療を行ってきたスペシャリストが、簡単に始められる6つの対策を伝授する。
「中高年の女性にとって避けることのできない“最大のハードル”が更年期障害です。これまで、女性の更年期障害について発信してきた私も今年45歳。自分にどのような症状が表れるのか。期待と不安が入り混じったような不思議な感じがしています」
更年期障害についてこう語るのは、「イシハラクリニック」(東京都)の石原新菜副院長だ。漢方女性外来を掲げ、患者の8割は女性という同クリニックで、多くの女性の治療にあたってきた。中でも、更年期障害については、『更年期ってこういうこと図鑑』(宝島社)の監修をつとめ、数々の女性誌に登場するなど多くの発信をしてきた。そんな更年期診療の第一人者である石原氏に、症状を和らげるための6カ条を聞いた。
更年期とは、月経(生理)が止まる閉経前後の期間を指す。日本人女性の平均閉経年齢は50歳。つまり、前後5年間の45歳から55歳が更年期にあたる。
「閉経が近づくと女性ホルモン『エストロゲン』の分泌が減少します。エストロゲンは受精や妊娠などに重要なだけでなく、皮膚の張りをもたらし、骨を強くしたり、血管を柔軟にするなど体の機能全般に良い影響を与えるホルモンです。それが減少していくことで、女性の体には大きな変化が生まれます。ホットフラッシュと呼ばれる顔のほてりや発汗、骨粗しょう症、関節痛、頭痛……さらには不眠症になったり、うつを発症する人もいます」
2022年の「更年期症状・障害に関する意識調査」(厚労省)によれば、50代女性の約4割が自身に更年期障害の可能性があると考えている。だが、そのうち約8割は、医療機関で診断を受けていないことが分かった。
「『更年期障害は誰にでも起こること』と考えてしまい、ほとんどの女性が症状が出ていても我慢している。でも、仕事や日常生活に支障をきたすほど重い症状になって苦しむ人もいるので放置は厳禁。人によってさまざまな症状が出ますが、耐えきれないほどの症状だと感じた場合は、早めに医療機関に相談することをお薦めします」
初回登録は初月300円で
この続きが読めます。
有料会員になると、
全ての記事が読み放題
既に有料会員の方はログインして続きを読む
※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。
source : 週刊文春 2025年1月23日号