ドナルド・トランプ次期大統領(当時)は、フロリダの自宅を訪問したカナダのジャスティン・トルドー首相について自分のSNSに「カナダ州のトルドー知事」と書いた。
トランプはカナダを「合衆国の51番目の州」と呼んだり、露骨にカナダを属国扱いし続けている。
トランプがカナダを併合したいのは「財政赤字と補助金」問題を解決するためだという。去年の12月18日、彼はSNSに米国はカナダに「年間1億ドル以上」の補助金を援助していると投稿した。「補助金」の額は、別のNBCテレビのインタビューで「年間1000億ドル以上」に値上がりした。いっきに1000倍じゃん!
つまりは根も葉もないデタラメだ。アメリカはここ20年間、カナダに対して年間3510万ドル以上援助したことがないから。しかし、こんなデタラメな根拠で他国を併合すると公言するなんて……。
1月7日の記者会見で、併合する方法を問われたトランプはカナダからの輸入品の関税を上げると答えた。カナダからの主たる輸入品は石油。それに関税をかければ、値上がりで苦労するのはアメリカ国内の企業なので、まるで脅しにならないと思うが。
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source : 週刊文春 2025年1月30日号