髙石あかりと佐藤勝利のW主演。そして原作マンガの作者は手塚治虫だ。なんて贅沢なドラマだろう。そんな作品が深夜一時過ぎに放映されるのも嬉しい。
佐藤が演じる近石昭吾の幼少期がまず描かれる。昭吾の母は性に奔放というより、息子の面倒もみずに男を漁る女だ。男との行為を昭吾に見られた母は、彼に暴力をふるう。
そんな母の仕打ちを受けて育った彼は“性愛”を憎み、軽蔑して育った。大学生になると、まるで母を真似るように、年上の女に金で買われる日々を送る。
孤独で希望をもたない昭吾の、唯ひとりの幼なじみが、髙石が演じる渡ひろみだ。笑みを浮かべず、無表情な昭吾。一方のひろみは明るく社交的で、歌手を目指してBARで働く。
昭吾の誕生日を祝うひろみの優しさに魅かれた瞬間、母の醜い行為が甦り、昭吾はひろみを突き放し、彼女は車にひかれる。

無口で心を開かない昭吾を演じる佐藤と、華やかなオーラを放つ髙石との絡みが、なんとも絵になる。
昭吾の過失で、ひろみは死ぬ。しかし次の朝には、昭吾はカメラマンとして、カリスマ歌手、シグマを撮影する。シグマの本名は、ひろみ。昭吾はふと、その名を口にする。
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source : 週刊文春 2025年3月13日号