過熱の一途をたどる中学受験。小誌は3月、中学受験界で“絶対王者”とされる大手塾「SAPIX」(サピックス)が2025年入試において、「男子御三家」(開成・麻布・武蔵)、「女子御三家」(桜蔭・女子学院・雙葉)など首都圏の人気難関校での合格者数を前年から合計127人も減らすなど凋落傾向にあると報じた。

 

 一方で、人気難関校の合格者を増加させたのが大手塾・早稲田アカデミー(以下、早稲アカ)である。今回、早稲アカに取材を申し込むと、同社で取締役専務執行役員を務める伊藤誠氏がインタビューに応じた。約80分間にわたり、サピックスを猛追する早稲アカの戦略について語り尽くした。さらに受験関係者から疑問の声が上がる合格者数の集計方法などについても問うた。

14年連続増収の早稲アカ (公式HPより)

――2025年の入試結果についてどう考えている?

 保護者の中学受験に対する“熱”は継続しています。確かに前年から志願者数は微減なものの、中学受験をさせたいという熱心さやその気持ちは継続中だと思います。最難関校の受験者数は減少傾向にあるものの、御三家や渋幕(渋谷教育学園幕張中・高)より少し易しいぐらいの難関校、あるいは中堅校に関しては微増、横ばいという学校が多い。

 また、大学入試が2020年から段階的に変化し、2025年入試では新学習指導要領に沿って共通テストで「情報」が新設されるなどの変化がありました。そういった時代のニーズに合わせて、私立の中高一貫校は教育プログラムをブラッシュアップしている。そういった教育環境を変える努力が“見える”ことも中学受験の人気継続の原因になっているとは思います。

 もう1つ新しい傾向があります。保護者が学校を選ぶ際、進学実績や偏差値という物差しだけではなく、子供に合う学校はどこなのかという点をより深く掘り下げて考えるようになってきた。SNSをはじめオウンドメディア(自社の広報PRメディア)など情報発信をするツールが増え、学校の魅力をどれだけ自信をもって伝えられるかによって、学校人気の差が出てくるとも感じています。

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source : 週刊文春 電子版オリジナル