昨シーズンをJ1リーグ3位で終えた我がFC町田ゼルビアは、リーグ全体で最少失点かつ最多クリーンシート(失点ゼロのゲーム)だった。つまり、守備が非常に固いチームだったということ。にもかかわらず、オフシーズンの補強は更なるディフェンス強化に力を注いだ。すでにゴールキーパーはじめディフェンダーには代表クラスの選手がずらり揃っていた。そこに大型補強を敢行したのである。現在は怪我人が出てそこまでの余裕はないけど、今季は控えまで層が厚く、他クラブから貸してもらえないかと頼まれたくらいだ。これには守備に徹底して重きを置く、黒田剛監督のサッカー哲学が色濃く反映されている。

「サッカーは失点しない限り負けることはない」。黒田監督は、この言葉をことさら強調する。普通は、「サッカーは点を取らない限り勝てない」という考えの方が支配的だろう。どんなに我慢の展開が続いても、得点さえ入ればみんなが喜びを爆発させることができる。だから誰しも華々しい攻撃面に目が行きがちだ。でも本来、サッカーにおいて、1点を取ることの重さと、1点を失うことの重さはイーブンである。なのに放っておくとみんな攻撃のほうに気を取られ、自然と重心が傾き、バランスを崩してしまう。

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source : 週刊文春 2025年6月19日号