ロシア第二の都市、サンクトペテルブルクで6月18日から21日まで、国際経済フォーラムが開かれた。プーチン大統領(72)肝いりのこのイベントには、2人の娘が識者として登場した。
プーチン氏の長女でモスクワ大学医学教育研究所副所長のマリヤ・ボロンツォワ氏(40)は、医療技術発展に伴う倫理問題の会議で司会を務めた。フジTVの取材に「ロシアにようこそ。来てくれてありがとう」などと日本語で応じたことでも話題に。彼女はオランダ人実業家と結婚し、以前はオランダに住んでいたが離婚して帰国している。
次女で投資財団を率いるカテリーナ・チーホノワ氏(38)はオンライン会議に出席。欧米の制裁下にありながらロシアが技術の国産化に成功していると語った。大学で日本語を専攻した彼女は、プーチン氏の友人のオリガルヒの息子と結婚したが離婚した。現在のパートナーはロシアで有名なバレエダンサーのイーゴリ・ゼレンスキー氏とされる。

プーチン氏は、政権発足当初、テロを警戒し「娘の写真を公表した者は刑事罰に問え」とすら命じていた。
ところが今回のフォーラム中に、外国メディアに対して「孫娘が中国語を流ちょうに話す」と述べ、家族について自ら公表するなど、大きな方針転換をしている。
それは、クレムリンの世代交代と密にかかわっている。経済フォーラムには、ショイグ安保会議書記、ワイノ大統領府長官、フラトコフ元首相らエリートの子弟が続々登壇。プーチン氏の従妹の娘で昨年国防次官に抜擢されたお気に入りのアンナ・ツィビリョワ氏も演説した。強硬派で知られるニコライ・パトルシェフ大統領補佐官の長男のドミトリー・パトルシェフ副首相、プーチン氏に近いオリガルヒの息子のボリス・コワリチュク会計検査院長官らは、権力の階段を上りつつある。露の独立系メディアは、このフォーラムを「エリート二世のお披露目式」と皮肉った。
プーチン体制の長期化でトップエリートはいずれも70歳前後。既に経済利権の子弟への継承は進んでいるが、今後は政治権力の世襲が始まるとみられる。
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source : 週刊文春 2025年7月3日号






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