暑さ疲れもほっと一息。食欲をそそるさわやかな味わい

 かつて「冒険の季節」「恋の季節」「情熱の季節」であった夏が、暑さのあまり、家で体力温存につとめる「引きこもりの季節」になったのはいつからでしょうか。生活のすべてが省エネになってしまい、夏バテしないようちゃんと食べなきゃとわかっていても、料理する気が起きないというのが正直な気持ちです。

 そんな中、これなら暑さ疲れを癒やしてくれそうと思えるのが、酸っぱい料理。酢を使ったサラダや炒め物など、キレのよい酸味があると食欲のないときも食べやすく後を引きますし、体もほっと一息つくことができます。疲労回復にはクエン酸などと効能を言われなくても、夏と酢の相性はぴったりです。

 

 スープでは中華の酸辣湯やタイのトムヤムクンなどが酸っぱいスープとして有名ですが、名前のないスープでもちょっと酸味をきかせてみると、サラリと軽やか、それでいてじんわり体に染み込むおいしさになります。

 今回はそんな酸っぱいスープをご紹介します。煮込み時間も短めのスープが中心です。夏に負けそうなとき、ぜひ試してみてください。

酢を使いこなす酸っぱいスープの法則

RULE① 穀物酢と米酢何が違うの?

酢は、まず穀類をアルコール発酵させ、次に酢酸菌を加えてさらに発酵させるという2ステップで作られます。米酢はお米からできる日本酒が原料です。うまみがあり風味豊かで、酢の物や酢飯にぴったり。一方、穀物酢は小麦や豆、とうもろこしなどの穀物をブレンドして作られたお酢。酸味が強く、素材の味を邪魔しないニュートラルな味で、和洋中選ばず使いやすい酢です。ちなみに「カンタン酢」のような商品は、酢に塩や砂糖、だしなどを加え、料理にすぐ使えるようにした“調味酢”です。

 

RULE② 酢を上手に使い分けよう

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source : 週刊文春WOMAN 2025夏号