セ・リーグ最下位のヤクルトが、米大リーグ・フィリーズ傘下2Aから自由契約になった青柳晃洋投手(31)を獲得した。

 抱えた借金は20(7月27日現在、以下同)。ケガ人の続出が低迷を招いたと指摘されるが、本当の要因は脆弱な投手陣にある。特に先発防御率4.01は12球団でもぶっちぎりのワーストだ。

「6月25日に林田哲哉球団社長が髙津臣吾監督について『一蓮托生。シーズン途中での休養や解任はない』と明言しました。ただ、この惨状に手をこまねいているだけでは、ファンや株主に対して体裁が保てない。青柳獲得は、ちゃんと補強についても考えているというアピールの意味合いもあるでしょう」(スポーツ紙記者)

 昨オフに古巣・阪神からポスティング制度を利用して渡米したばかりだった青柳。元阪神の“出戻り投手”といえば、7月にDeNAに入団した藤浪晋太郎投手(31)もいるが……。

「ヤクルトは、藤浪が放出された際に調査はしたものの、本格交渉には乗り出しませんでした。藤浪よりも青柳を優先して獲りに行ったことになります。藤浪の代理人は辣腕のスコット・ボラス氏。契約金の高騰が予想されたため藤浪を回避したという見方もできますが、むしろ『戦力として計算できるのは藤浪より青柳』という判断でしょう」(球団関係者)

 阪神時代からの課題だった制球難が米国でも直らなかった藤浪。一方の青柳もメジャーで実績は残せなかったが、それでも「戦力として計算できる」とされる理由があるという。

「青柳はとにかく使用球の違いに敏感。渡米しても、滑りやすいとされるMLB公式球が合わないのではと懸念されていたのです」(NPB関係者)

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source : 週刊文春 2025年8月7日号