「気づかれずにやるスリルと、自作カメラで盗撮する達成感があった」

 8月13日、勤務先である栃木県の県立高校の女子更衣室に小型カメラを設置し盗撮したとして、性的姿態撮影処罰法違反等の容疑で栃木県警に逮捕されたのは、古口大輔容疑者(38)。

送検のため宇都宮南署を出る古口大輔容疑者 Ⓒ共同通信

 古口容疑者は8月上旬、女子更衣室に侵入し小型カメラを設置し、盗撮。カメラが設置されたのは女子更衣室だけではない。警察によれば、古口容疑者はインターネットで購入した部品で動画撮影機能付き小型カメラを自作し、一人で校内の十数カ所に20台超を設置していたのだ。

「長期間盗撮した」

 取調べでそう供述した通り、映像を記録するSDカードを定期的に回収し、長期にわたり動画を収集していたことも判明。女子更衣室では、天井の点検口に穴をあけるなどの細工を凝らし、冒頭の発言のように「スリルと達成感」に酔いしれていた。

容疑者の地元を訪ねると…

 またしても明らかとなった、現役教員による性犯罪。古口容疑者とはどのような人物だったのか。

 栃木県那須塩原駅から車で約30分。山間に広がる長閑な田園風景を進むと、古口容疑者の生家が現れた。

 近隣住民が語る。

「3人きょうだいの長男で、みんなからは『大ちゃん』と呼ばれていました。地元の小中を出て、高校は男子校の進学校に進みました。大人しい子で、子供の頃からトラブルも聞いたことがないんですよ」

古口大輔容疑者の中学校の卒業写真 Ⓒ文藝春秋

 別の近隣住民が続ける。

「お母さんは農家で、お父さんはもう定年退職したけど、長いことサラリーマン勤めでした。お父さんはマジメな人で、大輔君が教師になったのもお父さんの影響と聞いています。『学校の先生になってほしい』っていうのが、小さい頃からのお父さんの願いだったみたいだから。せっかく夢叶えたのに、なんてことを、ねえ……」

 県の教育委員会関係者が語る。

「古口は2015年以降、2つの県立工業高校に勤務。機械系の科目を教えていました。教鞭をとりながら、自らはまさにその技術を“悪用”し、自作カメラで生徒を餌食にしていた。生徒たちのショックは計り知れません」

 古口容疑者の父親の携帯を鳴らしたところ、本人であることは認めた上で、「もう電話かけてこないで下さい」と電話はすぐに切られてしまった。

 “盗撮教師”の闇は、いかにして広がっていったのか。

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source : 週刊文春 電子版オリジナル