沖縄尚学の初優勝で幕を閉じた今夏の甲子園。日本高野連の宝馨会長は、閉会式の大会講評で出場校の健闘を讃えたのち、こう切り出した。

「最後に日本高等学校野球連盟会長として、お伝えしたいことがございます。今回、代表校が大会途中で出場辞退するという事態になり、各方面にご迷惑とご心配をおかけいたしました。日本高校野球連盟としては、今回の事態を大変深刻に受け止めております」

 全国中継された高野連トップによる異例の“謝罪”。念頭にあるのは、暴力事案の発覚を機に、勝ち進んでいる状況にありながら甲子園を去った広島の広陵高校だ。不祥事による途中辞退は大会史上初。107回大会の不名誉なハイライトとして、甲子園の歴史に刻まれることになる。

広陵高校の中井哲之監督 ©︎時事通信社

 全ての発火点は、甲子園開幕直前の7月下旬、元広陵球児Bくんの母親がInstagramに投稿した悲痛な告発だった。

高校野球名門校で、

集団暴行を受けました。

やっとの思いで転校できましたが、

学校側、監督、保護者からの

正式な謝罪など一切ありません

暴行に関わった選手たちも

何もなかったかのように、

春夏と試合に出ています。

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source : 週刊文春 電子版オリジナル