「『ガリレオ』の湯川学がダークサイドに堕ちたら――」。福山雅治が抱いたそんな妄想から作家・東野圭吾が生み出したダークヒーロー。

 

今作『ブラック・ショーマン』で演じた神尾武史への熱い思いを語る。

「『ガリレオ』で天才物理学者・湯川学というキャラクターを長く演じさせていただいたなかで、僕は人知れず妄想を楽しんでいました。

 あくまでも作品内の出来事としてですが、彼ほどの明晰な頭脳を持つ人が、もしもダークサイドに堕ちたらどうなるんだろう、という妄想です。柴咲コウさん演じる内海薫を主演に描いた『ガリレオXX 内海薫最後の事件』に少しだけ湯川さんも出演しているんですが、西谷弘監督から『ちょっと不気味な湯川さんを演じてほしい』というリクエストがあって。誰もいない研究室で一心不乱に数式を書く場面がありました。このときから、『正義の人である彼がダークサイドに堕ちたらどうなるんだろう』と考え続けていました。

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source : 週刊文春 2025年9月11日号