CSN&Yの名曲『ヘルプレス』は、ニール・ヤングが5歳の時(1951年)、ポリオ(小児麻痺)にかかった絶望感を思い出して書いた曲。ポリオのせいで彼は今も片足をちょっと引きずっている。当時、ポリオは治療法のない感染症だったから、まさにヘルプレス(無力)だった。

 2022年、アトランタのCDC(疾病対策センター)を見学した時、「鉄の肺」が展示されていた。ポリオで呼吸に必要な筋力が衰えた患者を強制的に呼吸させる機械だが、円筒形の棺桶みたいな装置から首だけ出すという悲惨なものだった。

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source : 週刊文春 2025年9月25日号