ある雨の日の教室。教壇に立つ、着物に袴姿の教師が「特別授業」をはじめた。生徒たちを目の前に、机の上をパン! と叩いては小気味良く物語を語り聞かせる。教師は声色や表情を巧みに使い分け、登場人物たちに成りきってみせる。彼の語る映画の世界に生徒たちは引き込まれていくのだった。

 幻となった映画の一場面である。日本映画の巨匠・小津安二郎(1903~63)は監督になる前、教師を務め、子供たちから「おーづせんせい」と呼ばれ親しまれた時期があった。その頃を描いた話が映画になる。さらに小津を演じるのは、今をときめく人気アイドルグループSnow Manの目黒蓮(28)、のはずだった。

Snow Manの目黒蓮(事務所HPより)

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source : 週刊文春