将来のファーストレディ筆頭候補であるフリーアナウンサーの滝川クリステル。そんな彼女を物心ともに支える男性がいた。夫の小泉防衛相にも食い込んだその男性は、末期がんと闘う“小売界の帝王”の夢を打ち砕き――。

「驚安の殿堂ドン・キホーテ」の多くの店舗には、店頭に巨大なアクアリウムが設置されている。水槽内を優雅に泳ぐのは、日本の南、約3000キロに位置するパラオ共和国で採取されたトロピカルフィッシュだ。

「私がパラオの海に潜って生きたまま採取し、パッキングして飛行機で運んだものです。日本の人々に、自然の尊さや生態系の素晴らしさを肌で感じてほしい。そんな願いのもと、パラオ政府とパラオ水族館の協力を得て、こうした活動を10年以上続けてきました」

 そう話すのは株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)創業会長兼最高顧問の安田隆夫氏(76)。「ドン・キホーテ」を創業し、一代で売上2兆円の巨大企業を築いた小売界の帝王だ。「週刊文春」7月24日号では、末期がんの闘病中であることを告白した

“小売界の帝王”安田氏

 安田氏には「人生の集大成」と語る夢がある。

「パラオに立派なホテルを建設したいのです。美しいパラオの海を、世界中の人々に知ってもらいたい。私は年間で50日以上パラオに滞在するほど、この国に魅了されてきました。パラオの発展に寄与することは、パラオへの恩返しでもあるのです」(安田氏)

 そう語る安田氏は、PPIHとは別に個人資産を用いてパラオ・コーラルクラブ・カンパニー(PCCL)を設立し、パラオでのホテル建設を進めてきた。だが悲願は、ある人物の登場により暗礁に乗り上げたばかりか、30億円超の損失を生んだ。今年4月、安田氏はその人物を詐欺容疑でパラオの司法省に刑事告訴。捜査当局によって作成された6月4日付の書面には、こう記されている。

〈パラオ共和国の関連法規および手続きに従い、犯罪捜査課は正式にこの刑事告訴を受理し、事件の調査を開始しました〉

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source : 週刊文春 2025年11月13日号